11月6日行ってみようか

「徹君、久し振りやね」

「仕事の休みに関する変更があって、なかなか来れませんでした」

「仕事に変化があると、大変だね」

「今日は、楽しみたいです」

「昨日は、カンパチ等が釣れたよ」

「良いですね。私も釣りたいですね」

「昨日の調子が残っているかどうか、行ってみようか」

まずは、昨日のポイントを目指して、船を走らせる。

「先に行くよ」と、言っていた大磯先輩の船が見える。

私たちも、直ぐに竿を出す。

しかし、昨日との違いに直ぐに気が付いた。

「昨日と、潮が違う」

上り潮が、下り潮に変わっている。

流れの速さ自体は、0.8ノット前後と変わらないが、潮の向きが違う。

急ぎ魚探を確認する。

その間、徹君は竿を出しているが、アタリが来ない。

魚探には、ベイト反応が出ていない。

一流し、二流し、三流しとアタリが出ない。

天気予報では、北風が強くなるような事を言っていたが、まだ北風は吹いてこない。

「チョットポイントを変えよう」

「何処に行きます」

「深場のポイントに行ってみよう」

沖合の瀬のあるポイントへ移動する。

一投目から、徹君にアタリが来た。

「良い感じで引いて居るみたいね」

「重いですね」

上がってきたのは、アオハタだった。

良型のアオハタが来て、まずは一安心。

ベイト反応も、良い感じで出ている。

次の当たりも、瀬周りの掛け下がりできた。

「走りますね。止まりませんね」

見ていると、ドラッグ音が鳴り、ラインが凄い勢いで出ていく。

「船で追い掛けよう」

「頼みます」

船で追い掛ける。

ラインが、巻き上げられる様になってきた。

ラインが船の真下に来たので、船を止める。

相手が真下に勢いよく走った。

「あっ、切られた…」

ラインとリーダーが、ザラザラになって上がってきた。

気を取り直して、仕掛けを新しくして再度落としていく。

しかし、どうしたことか、草フグが仕掛けをかみ切り始めた。

何処に落としても、フグが掛かってくる。

又しても、ポイントを移動する。

「朝のポイントに戻ってみようか」

朝のポイントに戻ってみると、ベイト反応が変化していた。

「良い感じだよ」

直ぐに仕掛けを落としてみる。

アタリが来た。

上がってきたのは、真鯛だった。

「丁度美味しいサイズですね」と、徹くんに笑顔が出た。

ジグを落としてみると、アタリが来た。

「余り走らないですね」

「ニベやろうか」

「重いから、そうだと思います」

予想通り、ニベが上がってきた。

2キロクラスの、ニベだった。

「前回のニベで、食傷気味だけど…」

取り敢えず、血抜きをしてクーラーへ。

少しずつ調子が戻ってきた。

しかし、納竿時間も近づいてきた。

「もう一流ししよう」

頑張ってジグをしゃくり続ける。

徹君にアタリが来た。

アタリと同時に、真下に走る。

「カンパチかもよ」

徹君も、慌てずに頑張っている。

「あっ…」

外れてしまった。

「針の掛かりが、浅かったかね」

残念だったが、ここで納竿となった。

「また、次回頑張りますよ」

「うん、私もポイントを探っておくよ」

色々な話をしながら、帰港した。