開進丸
7月21日 動かんごつなった
潮が動かないと、釣りが難しい。
分かっている事だが、改めてその厳しさを感じた。
いつもの事だが、水平線に顔を出したお日様に手を合わせ釣り開始。
釣り開始早々は「潮が行っちょる」と、良い感じだった。
下り潮だが、青味のある潮が、南西方向に流れていた。
潮の流れる速さは、0.8ノット前後と、仕掛けが斜めになって良い感じ。
「何か触る。けど、掛からん」
何度か、ジグを落とし尚していると「何か来た」と、Sさん。
上がってきたのは、指4本よりチョット太いタチウオ。
「おおっ、タチウオが回り始めた」
ちょっと、嬉しい。
けど、直ぐに仕掛けを落とすと、アタリが直ぐに来て、今度はラインを切られた。
「ラインを切られた。まさかフグじゃねーわな」
タチウオも歯が鋭いので、去年も可成りラインを切られている。
「船を戻しましょう」
船を流し始めの位置に戻す。
途中、魚探を見ていて、ベイトの変化に気が付いた。
「あれっ、ベイトが少なくなっている」
立ち上がっていた、ベイトが姿を消している。
「ちょっと、横にずれたかな」
急にアタリも出なくなった。
3流し目に入って、潮の変化に気が付いた。
「潮が黄緑色になっている。速さも0.2ノット前後になっている」
海面に目をやると、海中に汚れが漂っている。
「何で急に潮が動かんごつなったろか…」
船が、同じ処にじっとしている感じだ。
少しでも、潮の動いていそうな処を探して移動する。
魚探にベイトが映ったら、直ぐに仕掛けを落としてみる。
Sさんにアタリが来た。
「これは、良い感じですよ」
大きく竿が曲がり、ピンと張ったラインの緊張感が良い感じだ。
海中に獲物の姿が見えてきた。
「ヒラメだ」
1.5キロ超の良型ヒラメだ。
「ヒラメは久し振りですね」と、潮に苦戦しているだけに笑顔になる。
このポイントは、ベイト柱が何本も出ている。
次のアタリも直ぐに来た。
竿先をプルプルと小刻みに叩くアタリだ。
「真鰺かな」
予想どおり、35センチ超の真鰺が上がってきた。
2匹目の真鰺も直ぐに来た。
やはり、35センチを超す良型だ。
狙いの真鯛がヒットしてこない。
「真鯛が来ないですね」
鯛ラバに変えると、ウッカリカサゴがヒットしてくる。
「ポイントを変えてみましょう」
暫く、南に走る。
思っていたほどではないが、ベイトの反応は出ている。
直ぐに仕掛けを入れてみる。
ジグをしゃくっていると、カツンと小さなアタリが来た。
「鯖かな」
ゆっくりと巻き上げていくと、針掛かりしているヤズが上がってきた。
40センチ弱のヤズが、ポツポツとヒットしてくる。
ジギング針がエラや腹を突き抜けているモノは、逃がしても死んでしまう可能性が高い。
血抜きをして「干物にしましょう」と、クーラーに納める。
上潮は0.3ノット前後だが、下潮が少し行きだしている様だ。
しかし、時刻は正午前。
午後からは、用事があるとの事なので「追い込みましょう」とSさんも頑張る。
だけど、潮は相変わらず大人しいまま。
「思ったほどの釣果は上がりませんでしたね」
「ヒラメとタチウオが良かったです」
状況が悪い中でも、それなりの釣果は上げていく。
Sさんの次回に期待して、帰港した。