5月1日 強い西風
西風も余り強すぎると、釣りにならない。

朝起きた時に、ベランダのシンビジュームの葉が風に揺れていた。

「あれ、何で風が吹いてるの?」

夕べは出ていなかった強風注意報が、朝になって出ていた。

港で、横田さんも「風が有りますね」と、風を気にしていた。

兎に角、船を出してみよう。

赤灯台を出る頃には、港内で白波が立ち始めていた。

西風が強風になって、白波を起こしている。

「風が強すぎるね」

暫く、島陰で竿を出すことにした。

西風に押されて、東方向に流れていく。

アタリが来た。

上がってきたのは、イトヨリ鯛。

良型のイトヨリ鯛だ。

「最初の引きは、真鯛を想像しましたね」と、横田さん。

二流し目に入って、直ぐにアタリが来た。

竿先を叩く、鯛独特のアタリ。

「今度こそ、真鯛かもね」

上がってきたのは、良型のチダイだった。

「鯛ですから、嬉しいですよ」

弱まる気配のない、西風の中でまずまずの出足かな…。

同じ処を流していても、始まらないと思い、ポイントを変える。

しかし、ベイトが映っても、アタリに繋がらない。

1時間ほど、流し続けていると「あれ、風が少し弱まってきたかな」

「そうですね。弱まってきた感じですね」

「じゃ、沖のポイントに行ってみましょう」

船を東に向けて、走らせる。

沖は以外と風が穏やかで、着底も取りやすい。

潮は、緩い上り潮の様だ。

ベイトが海底付近に集まっていて、なかなか上には浮いてこない。

海底付近を丁寧に攻めていくと、横田さんにアタリ。

「最初は走りましたけど、ただ重いだけに変わりました」

上がってきたのは、アヤメカサゴ。

「良い型ですよ。美味しい魚ですよ」

「そうですね。嬉しいです」

一緒に竿を出していた私には、ガンゾウヒラメが来た。

「これも、身を丸くするから、引き上げるときは重いよね」

せっかくの釣果でもあるので、横田さんのクーラーに。

しかし、その後のアタリが続かない。

「ポイントを変えようか」

船を走らせていると「あれは、何ですかね」

横田さんが、東方向の沖合を指さしている。

見ると、何かの大きなナブラが出来ている。

「ナブラだ。行くよ!」

船を左に旋回して、ナブラの潮上に急行する。

横田さんが、キャスティングの準備。

まだ、ナブラの波紋がある。

「投げて、船の左前方よ」

横田さんが、軽めのジグを投げる。

2度、3度と投げるが当たらない。

「間に合わなかったか…」

波間に波紋はあったのだが、船を走らせたのだが…残念。

移動したポイントでは、再び西風が強く吹いてきた。

「今日は、帰りましょうか」

予想外の、朝からの西の強風に翻弄された釣りだった。