11月29日 ちょっと、仕切直し

朝日に映える海は、何処までも青く気持ちよかった。

潮行きもゆっくりとした上り潮で、良い感じだ。

「ベイトも、居ますね。当たってくるんじゃないですか」

「やってみます」

しかし、期待は膨らむが、アタリは萎んだまま。

真北に流れる良い感じの潮だが、下潮がジグが抜けるような軽い感覚を覚える。

「下潮が動いてないみたいですね」

Sさんも同様の感覚を感じて居るみたい。

「これは、下潮が動いてませんね」

「ポイントを変えますか」

南に向かって移動中に急用が入った。

「船長、一度帰港して貰って良いですか」

「そうですか。じゃ一旦帰りますか」

朝間詰めにアタリが来なかったが、急用では仕方ない。

港に帰り「済んだら午後から仕切直ししますか」となった。

午後1時過ぎに用事が済んで、再度出船。

「もう一度、朝のポイントを攻めてみますか」

朝のポイントに再アタックを掛けてみるが、やはりアタリが出てこない。

「Sさん、沖合に新しいポイントが有ります。行ってみますか」

「行きます!」

「Sさんが最初の釣り人です。是非、釣っていただきたいです」

南東に向かって、船を走らせる。

「これが、話したポイントの沈み瀬です。ベイトの数が違うでしょ」

「後は、潮が動いているかどうかだけです」

Sさんが直ぐにジグを落とす。

「5メートルくらい、盛り上がります。瀬掛かりは少ないと思います」

2流し目に入り、「なんか来た」と漸くアタリが来た。

上がってきたのは、レンコダイだった。

このレンコダイが当たって、アタリは次々と来るのだが、その殆どが途中で針が外れる。

「何で、こんなに外れるのか…」

何かリズムが合っていない。

向こう合わせで、相手が走り出すまで待つことにした。

「来た。又来た」

針掛かりした獲物が、いきなり走り出した。

「140メートルくらい先まで走っています」

「船で追いましょう」

Sさんが船首に立って、船で獲物との差を詰める。

可成り走っているから、直ぐには詰まらないかも…。

「あっ…切られた…」

リーダーが切れている。

「凄い走り方やった。青物だったと思います」

渋いアタリが続いていただけに、大物を取り逃がしたのは…口惜しい。

4流し目に入る。

ホール中にゴマ鯖が来た。

底まで落とすと、アラカブが来た。

「ポイントを変えましょうか」

今度は、北西方向に船を走らせる。

ここも、ベイトは沢山映っている。

Sさんが、鯛ラバで攻めていく。

「なんか来た」

上がってきたのは、オオモンハタ。

「この時期、美味しいハタが来た」と、笑顔だ。

大物を逃がした悔しさから、何とか笑顔が戻ってきた。

しかし、今日の潮は下潮の動きがイマイチ良くない。

この後は、真鯖が来たのみ。

「今日は帰りますか」

仕切直しの午後からだったが、新しいポイントで大物との“格闘”は楽しめた。

「こん次、又頑張りましょう」

「そうですね。又アタックしましょう」

夕日に向かって、船を走らせた。

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