開進丸
2月10日上りの激流
ポイントに向かって、船を走らせながら「船が重たいな」と、感じていた。
潮に向かって走る船が、押される感覚を感じていた。
風は、北西の風が吹いている。
南から来る潮と、ぶつかっている状態。
ポイントに入って、驚いた。
「上り潮が2ノット以上で流れている」
最近は、動かない潮ばかりに、悩まされていた。
「今日の、潮は大変だぞ」
精神的に、疲れる潮が来ていた。
ポイントのベイト反応を確認しても、そのポイントを直ぐに流される。
「船で押してみます」
船で風上に向かって、押してみるが…。
船が安定せずに、釣りにくい状況になってしまう。
ヒットしてくるのは、大きなエソばかり。
「潮が、安定しているところを探しましょう」
動く範囲を広げて、ベイトが居るポイントを中心に探していく。
「ここなら、潮も1ノット前後だし、ベイト反応もあります」
脇坂さん、佐藤さんに、竿だしを勧める。
脇坂さんが、アタリを捕らえた。
上がって来たのは、丸々と太った鯖だった。
もっと、潮が安定して流れるポイントを探す。
意外と、良い潮の流れが有るポイントに入る。
脇坂さんが、強いアタリを捕らえた。
強めに調整してあるドラグから、ラインが引き出される。
「おお、ラインが出る」と、楽しそうにやり取りしている。
上がってきたのは、メーター超の大ニベ。
「ベイトが居れば、何かが付いていますね」
タモ入れ直前まで、走り回って抵抗を示したニベ。
重量感がタップリあって、スリリングなやり取りが楽しそうだった。
潮止まり前に、ポイントを移動する。
「最近、見つけたポイントです。きっと、何かが居ると思います」
干潮の潮止まりなら、潮が緩むかも知れない。
そんな思いがあった。
「やはり、下潮の流れが速すぎますね、着底が取れない激流になっています」
佐藤さんが、下潮の流れの速さを伝えてくれる。
そんな中、アタリは来るが、エソが連発。
脇坂さんが、又しても、強いアタリを捕らえた。
「何か来た」
竿先が、真下に突っ込んでいる。
獲物が、船の真下に入って来た。
「頑張って、堪えて」
突っ込みに耐えていたが、竿が折れそうな限界を見せている。
脇坂さんが、竿を起こそうとした瞬間「あっ…切れた…」
80ポンドリーダーが、伸びきった状態で切れていた。
「このポイントでは、前回もお客様がやられている。何かが居ると思います」
「こん次、潮が緩いときに、じっくり攻めてみろうや」
その正体が見てみたい。
再度、ポイントを移動する。
「ベイト反応は有ります」
佐藤さんが、アタリを捕らえた。
「多分、鯖です」
元気良く、走り回っている。
丸々と太った鯖が、ダブルで上がってきた。
ベイト反応が出てくると、鯖がヒットしてくる。
最後まで、上りの激流に悩まされた一日だった。