開進丸
9月22日太刀魚釣ったよ
北東の風が、10メートルと予測されている。
沖合は、白波だらけになっている。
防波堤を、時折、波飛沫が越してくる。
「午前10時頃には、雨が降ってくるかも知れません。其処までの勝負ですね」
港内の太刀魚を狙って、竿を出してみた。
夜明け前の暗い内は、アタリが出なかった。
「アタリが来ないかな」
周りが明るくなってきた頃、榎田(貴)さんに、アタリが来た。
お父さんが、針掛かりさせて、釣り上げるのは息子の謙信君の役目。
楽しそうに、頑張って釣り上げている。
上がってきたのは、指4本クラスのタチウオ。
「タチウオ、釣ったよ」
と、高く掲げて見せる。
写真が、ぶれてしまったのが、残念で申し訳ない。
親子で、楽しい釣り姿は、羨ましくなってくる。
榎田(貞)さんにも、アタリが来た。
大きな真鯵が姿を見せたが、海面近くで針外れ…。
傍らで、孫の謙信君が見守っていたのだが…。
周囲が、すっかり明るくなってきた。
予報通り、北東の風が段々と強くなってきている。
「長くはやれないな」
少し、焦りと不安が頭を過ぎる。
そんな中、榎田(貴)さんが、タチウオのアタリを捕らえた。
水深が浅いだけに、タチウオの引きも強い。
海面近くで、最後の抵抗を見せている。
指4.5本クラスのタチウオが綺麗だ。
お父さんと一緒に「タチウオ釣ったよ」と、謙信君も嬉しそうだ。
榎田(貞)さんも、タチウオにリーダーを切られてしまった。
「歯が鋭いですから、簡単に切りますよね」
チョット口惜しい。
スマホで、天気予報を確認する。
北東の風が、10メートルになる予報は変わらない。
「そろそろ、切り上げ時かな…」
そう思っていると、榎田(貴)さんが、又してもアタリを捕らえた。
良い感じで、竿が曲がっている。
海中に、体をくねらせるタチウオの姿が見える。
無事に、タモに納める。
お父さんの釣り上げたタチウオを嬉しそうに、謙信君が掲げて見せる。
これも、良型のタチウオだ。
しかし、ここで納竿とする。
「風が、益々強くなって来るみたいです」
港内ではあるのだが、海面が波打ちだしている。
「風が激しくなる前に、帰りたいと思います」
榎田さんに了解を得て、納竿とした。