開進丸
2月4日動かない潮の中の釣果
潮が動かない。
航跡を見ながら、船の動きをチェックしていくのだが、殆ど同じ場所。
そんな、苦戦必至の中で、釣果を出すにはどうすれば良い。
「ただただ、竿を振り続けるしかない」
そんな厳しい釣りになった。
朝の内は、北西の風に押されて、幾分かの流れはあった。
やり取りの最中に、リーダーが切られるアタリも来た。
「青物かな…」
頭の中は、青物を想像している。
魚探に出ているベイト反応の中を流していると、鍋島さんにアタリが来た。
「真鯛が来ました」
竿先を叩く、真鯛独特のアタリが楽しそう。
1.5キロ近くの真鯛が上がってきた。
動きがイマイチの潮の中から、引きずり出した釣果に笑顔が出る。
次の流しでは、ドラッグ音が鳴るアタリが来た。
盛んに竿先を叩いている。
「真鯛かな」
慎重なやり取りが続いていたが、獲物が突っ込んだ瞬間に針が外れた。
「悔しいな…」
この頃から、潮の動きが悪くなっていく。
流速表示が0.2とか0.3になってきた。
ともすると、0.0とも表示される。
「沖は動いていないだろうか」
少しずつ、深場を狙って移動していく。
深場で、珍しくカマスが来た。
レンコダイも、ヒットしてきた。
ポツポツだが、少ないアタリを拾っていく。
しかし、潮が動かないと、アタリも単発になる。
沖合も、潮の動きが悪い。
ポイントを浅場へと、移動する。
問い合わせの電話に対応している時、鍋島さんにアタリが来た。
上がってきたのは、ウッカリカサゴの老成魚。
お腹には、卵を沢山抱えていた。
夕間詰めに入り、ゴールデンタイムに期待する。
「来ました」
鍋島さんの竿が、時折鋭く突っ込む。
「良い感じですね」
上がってきたのは、35センチ超の真鰺。
動かない潮に対して、黙々と竿を降り続けて引き出した釣果。
鍋島さんの頑張りに、感謝の一日だった。