11月4日時化は覚悟の朝間詰め勝負
早い時間から、北東の風が吹いてくる事は分かっていた。

夜明け前の船着き場でも、北東の風が時折吹いていた。

「白波が出てきたら、撤収しましょう」

「短時間勝負です」

港を出る頃は、風は、まだ穏やかだった。

ポイントに入ると、潮が下っていた。

「昨日は上っていましたが、一日で変わりますね」

流れる速さは、0.5ノット前後。

潮の流れよりも、風で押されているような感じだ。

塩田さんが、ジグに感じる下潮の様子を教えてくれる。

「なんか軽いですね。抜けますね」

動いていないかも、知れない。

白波はまだ、出ていない。

「今の内に、何とか釣りたい」

山下さんも、頑張っている。

塩田さんに、アタリが来た。

下潮の動きが悪い中、アタリを引き出す。

塩田さんの、何とかしたいと思う気持ちが、魚に口を使わせた。

「ニベかな」

塩田さんの予想通り、3キロクラスのニベが上がってきた。

山下さんに「ジグを少し重くしませんか」と、私なりのアドバイスをする。

ジグを変えて暫くすると、山下さんにアタリが来た。

「どうですか」

「良い感じで引きますね」

「カンパチかもね」塩田さんから声が掛かる。

「カンパチは、初めて釣ります」と、山下さん。

2キロクラスのカンパチ(ネリゴ)が上がってきた。

「嬉しいです。初めてのカンパチです」

塩田さんからも、祝福の握手。

しかし、海の神様は悪戯好きのようだ。

北東の風が、強くなってきた。

白波も立ち始め、ウネリも高くなってきた。

ウネリが出てきた中、山下さんに強いアタリが来た。

船の揺れに気を付けながら、やり取りする。

「初めて感じる強いひきです」

山下さんも頑張っているが、獲物も下に突っ込む。

風、波を気にしながらのやり取りに、一寸した隙間が出来たのか…。

外れて止まった。

「残念です…」と、口惜しそうな山下さん。

一方では、ウネリが目線を越えるようになってきた。

風が一段と、強くなってきた。

時間は、午前9時前。

「撤収しましょう」

塩田さんに声を掛けて、安全第一帰港した。

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