開進丸
6月16日南東の風の中で
早朝の船着き場で、迷っていた。
「風が南西になっています。ウネリも残っているかも…」
清水さん、宮田さん、堀部さん、内田さんと相談。
「一度、裸バエのアタリまで出てみましょうか」
「そこで、波も風も穏やかと判断したら、行きましょう」
海上の風は西風が吹いて、意外にも、波も穏やかになっていた。
「行きましょう」
ポイントに向けて、船を走らせる。
南東からのウネリが時折入って、多少、船が揺れる。
ベイト反応は、思ったよりも出ていない。
潮もこれまでと、変わっていた。
沖に向けての、払い出しの下り潮。
流れの速さは、0.8ノット前後と緩やかになっている。
内田さんと清水さんに、アタリが来た。
内田さんには、40センチ近い良型の真鰺が上がってきた。
清水さんには、良型のイサキが上がってきた。
ベイト反応は余り出ていないが、良いスタートになった。
堀部さんにも、アタリが来た。
これも、40センチ近い良型の真鰺だ。
宮田さんにも、40センチ近い真鰺がヒット。
朝の内に、お土産の魚は確保。
魚探にベイト反応が出てくると、アタリが来る。
4人同時のヒットになった。
宮田さんに、良型の真鰺。
清水さんに、ニベが来た。
真鰺は、型が大きいだけに、走りも強く針外れが起きる。
ヒットした3割、もしかしたら4割近くは、外れているような気がする。
海上では、時間の経過と共に、南東の風が吹き始めた。
「嫌な風になってきた…」
白波が立ち始める前に、移動するように注意する。
潮も、干潮を過ぎるアタリから、下りから上り潮に変わり始めた。
「ベイトにも、変化が出るかも知れない」
船を流し始める位置を、考える。
移動しながら、ベイト反応を確認する。
「出てきました」
良い感じの、ベイト柱が出てきた。
直ぐに仕掛けを落としていく。
イサキにオオモンハタ、真鰺がヒットしてくる。
アタリが出るときは、ダブル、トリプルでアタリが来る。
中には、真下に強烈な突っ込みを見せるモノも居る。
「止まらない」
清水さんが、ドラッグ調整しながら、体制を整えようとしているが、リーダーが切られた。
堀部さんに、強いアタリが来た。
真下に突っ込んでいく。
ドラッグ音が鳴る。
「何やろうか」
期待が膨らむ。
上がってきたのは、61センチ、3.2キロの雌の真鯛。
「やった。嬉しい」と、笑顔が輝く。
仲間の皆さんからも、盛大な祝福が飛ぶ。
釣りの楽しさは、釣果があることは勿論だが、大切な釣り仲間との屈託の無い楽しい会話。
時にからかわれたり、時にからかったりと、笑顔が船上一杯に広がる。
今日の釣りは、正に楽しい会話と、楽しい釣果の釣りだ。
この、沢山の釣果の数だけ、楽しい時間が過ごせた。
午後から、南東の風が強くなってきた。
安全第一で「帰りましょうか」と、帰港した。