開進丸
３月１７日帰りましょう
潮目の中には、ベイト反応がある。
だけど…、ヒットしないし、掛かっても外れる。
なんとも、歯がゆい時間が経過してゆく。
昼前からの強風が心配される中、船を出す。
立山さん、國武さんとも「風が激しくなったら帰ってきましょうか」と、相談する。
朝間詰めは、風は穏やか。
少しでもベイト反応のあるところから、釣りを開始する。
西風の影響も多分にあるようだが、０．８ノット前後で船は北東方向に流される。
上り潮が流れているはずだが、潮色は濁った感じで、余り良いとは言えない。
１時間、２時間と時間が過ぎていくが、アタリが出ない。
そんな中、國武さんにアタリが来る。
「来た。来ました」
と、竿先が海面に突っ込む。
しかし、カメラを構える前に針外れ。
「今のアタリは、強かったですね」
國武さんの言葉に、口惜しさが滲んでいた。
立山さんにアタリが来た。
「小さいですね。底で当たってきました」
アヤメカサゴが、上がってきた。
今から、少しずつアタリが出てくるかなと期待したが、またもや沈黙の時間に入った。
船仲間からの連絡が入る。
「潮目の中には、凄い反応がありますよ」
「入って良いですか」
「どうぞ、入ってください」
仲間からの了解を貰って、潮目に船を入れる。
良い感じのベイト反応がある。
國武さんに、又しても、良い感じのアタリが来る。
「今度は、何とか取りたい」
慎重にやり取りを開始するが…。
又しても、最初の走りで針外れ。
「また、外れた…」
魚の食い付きが、イマイチ良くないようだ。
潮の濁りと、水温の低下、もう一つ、南よりの風が魚に影響しているのだろうか。
朝の内、西風が吹いていたが、今は南西の風になっている。
その南西の風も、少しずつ強くなっている。
立山さんにアタリが来た。
いきなり風が北西に変わり、突風が吹き付けてきたときにアタリが来た。
風の影響で。船の向きが大きく変わる中、ゆっくりと巻き上げていく。
良型のアヤメカサゴが、上がってきた。
北西の風が、西に変わり激しさが増してきた。
仲間達の船も、島影に寄って来た。
私たちも島影にはいるが、西風の勢いは益々強くなってきた。
船仲間の関屋さんに連絡して、帰ることを告げる。
立山さん、國武さんも「安全第一ですね。帰りましょう」と、仕掛けを回収。
西風で、海上は白波だらけになっている。
船体に波飛沫を被りながら、帰港した。
