11月21日午前中、持つかな
雨予報だった天気が、一日ずれた。

「行けそうなら、行きたいです」

何とか、要望に応えたい。

昨日は風も弱く、波も其程高くなかった。

「明日も、大丈夫かも」と、思わず思ってしまった。

午前7時過ぎ、港を出たら既に真北の風が吹いていた。

「この風が、このまま強くなったら、嫌ですね」

風が強くなる前に、竿を出したい。

午後からは、天気も下降線になってくる。

蔵屋さん、吉野さんとポイントへ急ぐ。

沖に出るほどに、北風が強く感じる。

ウネリは、北東から寄せている。

風の影響も有るのだろうが、船は南東の方向に0.7ノット前後で流されていく。

下り潮に、風が追い風になっている。

蔵屋さんに、アタリが来た。

「ゆっくりやりましょう」

魚の引きを、楽しみながらのやり取り。

風の影響もあるのだろう。

ラインが、可成り出ていたようで、途中で針が外れてしまった。

「又来ます」

今度は、吉野さんにアタリが来た。

「どんな感じですか」

「余り走らないですね」

「重いですか」

「そんな感じですね」

姿を見せたのは、ニベだった。

この頃には、風が北東に変わり始めていた。

「沖に白波が立ち始めたら、移動しますね」

まずは、風の変化と波の変化に気を付けておきたい。

安全第一で、釣りを楽しみたい。

風が変わると、当然船の流れる方向も変わってくる。

それによって、攻めるポイントを変えてみたが、なかなかアタリに繋がらない。

ベイト反応が出てきても、ジグに何の反応も出なくなってきた。

吉野さんにアタリが来た。

「どうですか」

「小さいですね」

上がってきたのは、真鯖だった。

このアタリを境に、北東の風が益々強くなってきた。

ドンヨリとした、雨雲も広がってきた。

「今日は、諦めて帰りましょうか」

強くなってきた北東の風に、高くなってきたウネリ。

波が高くなる前に、納竿とした。