開進丸
11月13日雨の翌日
雨の翌日であり、集合時間を朝8時とした。
港に行ってみると、仲間の船が接岸していた。
「今から、行くんですか」
「いや、帰ってきたとこよ。風が凄いよ」
嫌な予感が、的中しそうな気がしてきた。
本日のお客様の長代さん、村富さんがみえた処で、色々と打ち合わせ。
「風がもの凄く強いらしいです」
「ゆっくりしましょう。昼前からは天気も回復する予報でした」
「一度、港の外まで出てみましょう」
等々、チョット雑談も交えて、作戦会議。
午前9時過ぎに「ちょっと出てみましょう」と、船着き場を離れた。
沖の赤灯台を回ると、やはりウネリがある。
北東からのウネリが高い気がするが、行ける処まで行ってみようと、船を走らせる。
沖合に出れば出るほど、風が強くなってきた。
「真北の風が強いですね」
ウネリも高く「長い時間は、居られないかも知れませんね」
そんな気持ちを持って、釣り開始。
アタリは直ぐに来た。
長代さんにアタリが来た。
「来ました」
一投目から、竿が曲がった。
ウネリで船が揺れるが、ゆっくりとやり取りを楽しむ。
1キロ超の良型カンパチだ。
「これで、ボーズはなくなりました」と、笑顔が良い。
今度は、村富さんにアタリが来た。
横から見ていると、良い感じの竿の曲がりだ。
時折、ドラッグ音が鳴る。
「カンパチですね」
姿を見せたのは、長代さんのカンパチと同型のカンパチ。
「私も、ボーズは無くなりました」と、笑顔が良い。
「船を戻します」
風が益々強くなって、船の周りは白波だらけになってきた。
「この流しで、一旦潟寄りに戻ります」と、お二人に告げる。
船を流し始めて、村富さんにアタリが来た。
「着底して直ぐにアタリが来ました」
「チョット、軽い気がします」
慎重に、ゆっくりと巻き上げる。
「見えてきました。真鯛です」
1キロ超の真鯛が、上がってきた。
「此くらいの大きさが、一番裁きやすくて良いですね」と、笑顔。
しかし、此処で風とウネリを避けるためにポイントを離れる事にした。
潟寄りに戻る。
暫く、天気の変化を待ってみた。
晴れ間が広がるにつれて、風も落ちてきた。
「風が緩んできましたね」
と、もう一度、沖合に船を戻してみた。
白波が消えて、ウネリも落ち始めていた。
「やってみましょう」
直ぐに竿を出すが、今度はなかなかアタリが出てこない。
時折、お二人の竿にバイトが有るようなのだが、ヒットまで行かない。
「厳しくなりましたね」
色々と、手を変えアタックするが、ヒットに繋がらない。
頑張り続けたが「今日は、此までですね」と、納竿。
出足の潮は、良い感じの青色だった。
後半の潮は、緑が掛かった「菜っ葉潮」に近かった。
潮の変化には、勝てない…。
ちょっと、口惜しい。