7月27日こんな潮、初めて
朝の内、少しだけ超近場で竿を出してみた。

狙いのタチウオ。

沖波止の、波静かな場所で竿を出す。

アラカブが、ポツポツ当たってくる。

突然、ゴツンと当たってきたのはオオモンハタ。

「ここで、ハタが来たね」

チョット、嬉しくなる。

30分ほど頑張ってみたが、タチウオは出なかった。

海面に、朝日の光が反射する。

ポイント目指して、船を走らせる。

「今日は、深場に行こう」

従兄弟の信司と、楽しく世間話しをしながら、朝風が気持ち良い。

ポイントに入る。

直ぐに魚探を見る。

「潮は、0.6ノット前後だよ」

上り潮が、ゆっくりと動いている。

沖からは、潮目が入ってきている。

「150で底が取れますよ」

2流し目に入り、信司にバイトが来ているようだ。

しゃくり方が、細かく丁寧に成っている。

「来た。ほら、来ましたよ」

「偉い、走るね。青物か?」

獲物は船の下を、スピードを上げて走っている。

「ゆっくりで良いよ」

時折、ドラッグ音が鳴り響く。

ゆっくり巻き上げていた、ラインの先に獲物が見える。

「あっ、真鯛だ」

上がってきたのは、67センチ、3.3キロの真鯛。

「これは、僕の自己新記録です」

「そうなの」

「今までは、62センチが最高でした」と、嬉しそうだ。

「信司、もう一度船を戻して、トライするぞ」

船を戻して、釣り再開と思った時…。

「あれ、何で…4ノットから下がらない…」

船の速度計が、4ノット以上で下がらない。

潮が急激に速くなってきた。

「信司、潮が4ノット以上に成っている」

「さっきまでは、0.7前後だったのに…」

300グラムのジグで、着底が取れなくなった。

沖を走るタンカーが「止まっている」様に見えるくらいだ。

ジグは300以上は無いので、少し浅場に移動する。

水深60メートルでも、3ノットで流れている。

潮目に入ると、船が回転する。

「こりゃ、釣りにならない」

「これって、赤潮ですか…?」

信司が潮目の中に、赤く帯状に浮かんだ物を見つけている。

「これって、赤潮だよね」

「釣りにならんですね…」

少しずつ、浅場に移動してみるが、40メートルで2ノット前後になっている。

「今日は、もっと深場を攻めてみたかった…」

信司の悔しがる気持ちが、伝わってくる。

気が付くと、周りに船が一隻も居なくなっていた。

「今日は、諦めるか…悔しいけど…」

「潮の急激な変化は、ビックリですね」

悔しい気持ちを持って帰港した。