6月9日 午前8時を過ぎると
早朝の海は、べた凪で気持ちよく船が走る。

「このまま、午前中は風に大人しくしていて欲しいですね」

最初に入る予定にしているポイントに行くまでに、ベイトの良好な反応が出てくる。

その場で、船を止めて竿を出したい気持ちになる。

しかし、まずは最初のポイントへと走る。

ここも、ベイト反応は良好。

「凄い柱が出来ていますね」

塩田さんが、ジギングで攻めていく。

「潮…動いてないですよね」

ジグが真下に落ちていくし、ジグに潮の抵抗を感じられない様子。

下り潮だが、潮の色は青味があって良い感じだ。

表面の流れは、0.4ノット前後と遅いくらい。

ジギングから鯛ラバに切り替えた塩田さんにアタリが来た。

竿先を叩いている。

「余り大きくはないけど、真鯛ですね」

上がってきたのは、食べ頃サイズの綺麗な真鯛。

その後も、ウッカリカサゴがヒットしてくる。

アタリが来て、全然抵抗をしないで上がってくるから「カサゴかな」と思っていると、良型の真鰺だったりする。

しかし、真鰺は途中で外れることが多い。

「出足としては、まずまずかな」

そんなことを思っていると、船の向きが北東方向に変わった。

風が北西から、北東に変わってきた。

「いつも午前8時を過ぎると、風が変わるな」と、塩田さん。

短時間の内に、風の勢いが段々と強くなってくる。

波も高くなって、船を移動するたびに船首が波を掬ってしまう。

12時近くまでは、何とか頑張ってみた。

「風が益々強くなってきましたね」

「無理せずに、引き上げますか」

他の船も、引き上げ始めている。

我々も、無理は避けて帰港した。