5月30日 激流からトロミ潮まで
曇り空の中、ポイントに走る。

海上は北東からのウネリがやや高い気がしたが、波長が長い分釣りの支障は少ないはず。

「潮の色は、イマイチだね」

「余り良い色ではないですね」

横田さん(愛称、徹君)、横山さんと、話をしながらポイントを目指す。

最近の悪天候もあって、出てきている船は少ない気がする。

ポイントに入り、船を止めてビックリ。

「潮が速い。今が2.5ノット前後になっちょる」

徹君、横山さんが仕掛けを入れていくが、200グラムの錘でなかなか着底が取りにくい。

一流しが終わったところで、最初のポイントを諦めた。

「少しでも、着底が取りやすい処に移動しましょう」

30メートル前後の浅場に移動する。

「着底は取りやすいですか」

「大丈夫です」とお二人。

横山さんが最初のアタリを捕らえた。

「何かが追いかけてきてました」

ずっとバイトが続いていたみたいだ。

上がってきたのは、1キロ超の良型オオモンハタ。

幸先良い出足に横山さんも笑顔。

徹君も元気が出てきた。

バイトは有るのだが、なかなか乗ってこない様だ。

次の当たりも、横山さんに来た。

「多分、真鯛です」

竿先を叩く、真鯛独特のアタリ。

61センチ、2.6キロの真鯛が上がってきた。

次の当たりも、横山さんに来た。

キロ前後の食べ頃サイズの真鯛。

徹君にアタリが来た。

「真鯛ではないですね。小さいです」と、ラインを巻き上げていく。

アヤメカサゴが上がってきた。

「今からですね」と、徹君。

横山さんにも、ウッカリカサゴが来た。

時刻は11時過ぎ、この頃になって潮が緩み始めた。

それまで2ノット前後で流れていた下り潮が、1ノット前後と緩くなってきた。

「何とか、釣りになるかもしれませんね」

チョイ深場に移動してみる。

「此処で、1.1ノット前後ですね。もっと緩むかもしれないですね」

激流がトロミ潮に変わりつつある。

徹君と横山さんが仕掛けを落としていく。

「着底が取りやすくなってます」

魚探には、ベイト反応が出ている。

横山さんにアタリが来た。

ドラッグ音が鳴っている。

「良い型だと思います」

慎重に巻き上げていく。

73センチ、3.6キロの見事な真鯛が上がってきた。

「やった、良い型が来た」と、笑顔が良い。

徹君にもバイトがあるのだが、針掛かりしない。

チョットしたリズムの違いが出ているみたいだ。

納竿時間が近くなるに従って、潮が益々緩くなってきた。

「朝から、こんくらいの流れだったら良かったのにね」

早朝の激流から午後のトロミ潮まで、潮が大きく変化した1日だった。

納竿前に横山さんに、1キロクラスの真鯛が来た。

この真鯛を最後に帰港した。