開進丸
5月27日 ガンゾウ祭りだね
岩場に打ち寄せる大きなウネリ。
強く吹くことが予想されている東風。
朝早くから、海の様子を確認して、出るか止めるかの判断をしなくちゃいけない。
船着き場で、清水さん、堀部さん、内田さん、中村さん達と話をする。
「表は、無理だと思います。内場に入って、風と波の具合を見て後は判断すると言うことで行きますか」
「了解です」
釣行が決定。
内場に向けて船を走らせる間も、猪崎鼻や大島北側にある岩場の波飛沫を注意して見る。
「やっぱり、無理は止めるか…」と、心の中で自分に言い聞かせる。
内場にはいると、南からの大きなウネリが船を大きく揺らしていく。
釣り始めて暫くすると、清水さんにアタリが来た。
今日最初の釣果は、ガンゾウヒラメだった。
遠くに波を被る水島が見えている。
水島を見ていたら、清水さんに再びアタリが来た。
これも、ガンゾウヒラメだった。
「肉が盛り上がって、良い型してますね」
本命ではないが、出足良い釣果に清水さんもホッとした笑顔。
内田さんにもアタリが来た。
最初のアタリは強く、竿が大きく曲がった。
「なんか引きが違う気がする」
上がってきたのは、大きなエソだった。
中村さんにも、アタリが来た。
「なんか、小さいですね」
ゆっくりとラインを巻き上げると、ホウボウが上がってきた。
テレビで「ホウボウは殿様の魚」と言っていた。
まずは、最初の一匹に中村さんもホッとした表情。
表に出られない分、兎に角一枚釣り上げたい気持ちが強い。
堀部さんにも、アタリが来た。
大きなウネリにチョット体調不良だったけれど、完全復活。
上がってきたのは、肉厚のガンゾウヒラメ。
これで、全員にヒット。
「今日は、ガンゾウ祭りだね」と、笑いが広がる。
内場の中で、塩の変化に応じてポイントを移動していく。
清水さんに、大きなアタリが来た。
ゆっくりとラインを巻き取りながら「真鯛かな、ハタだったら良いな」と、楽しい想像を広げながら魚の姿を確認する。
「えっ…サメ…」
上がってきたのは、1メートル超の大きなサメ。
その姿に、ガッカリと力が抜ける。
中村さんや堀部さん達にも、外道のフグが来た。
「ここは、フグが寄ってるのかな」
気を取り直して、仕掛けを振り込むと清水さんにアタリが来た。
「フグじゃない気がする」
上がってきたのは、オオモンハタ。
「良かった。ハタが来て嬉しいね」と、笑顔がはじける。
再び流すコースを変えると、堀部さんにアタリが来た。
小型のニベが上がってきた。
「口から、空気袋が出ている」
「塩焼きサイズだね」
と言うことで、血抜きをして塩焼きにする予定。
この頃になり、干潮の潮止まりから満潮に向けて、潮が入り始めた。
すると、清水さんにアタリが来た。
上がってきたのは、良型のイトヨリダイだった。
「久し振りにイトヨリが来た」と、笑顔。
「ウネリはありますけど、チョットポイントを変えて、平瀬アタリの岩場を攻めてみますか」と、移動する。
すると、内田さんにアタリが来た。
上がってきたのは、ガンゾウヒラメ。
「やっぱり、今日はガンゾウ祭りや」と皆で大笑い。
清水さんにも、ガンゾウヒラメがヒットしてきた。
内田さんと中村さんには、モンガラハギがヒット。
「こいつ、結構な引きをしますね」と、ちょっぴり感心する。
根魚狙いに移動してきた場所を締めたのは、堀部さん。
「何かな…」
海中を覗き込んでいると、アカハタが見えた。
「やったね。アカハタや」と、笑顔になる。
内場だけに集中した1日に成ったが、梅雨の晴れ間の釣りを楽しむことが出来た。
「次回は、良い天気になりますように」
海の神様にお願いして、帰港した。