2024/06/29 UP
インプレ

北海道初夏の釣り/佐藤逸人

サンラインソルトテスターの佐藤逸人です!
今回は、北海道千歳市にある支笏湖(しこつこ)での釣りを紹介します。

 

【支笏湖でのフライフィッシング】

”凍らない湖”、「不凍湖」とも知られる支笏湖。
もちろん、寒くなると水温は下がりますが、面積が広く水深も深く水が多い為、全体の温度が下がり切る前に春が来てしまうのだとか。
そんな大規模な支笏湖でのフライフィッシング。
あらゆるポイントが存在するので、同じ一日でも場所によって風向きや風量が違ったり、また、岩場だったり藻があったりと、様々な自然の表情に合わせて釣りを楽しめます。
しかし同時に、魚の気配すら感じられない静けさをも持つ支笏湖。
激しく風を吹かせたかと思えば、一日中風も無ければライズも無い、なんてことはしょっちゅうあり。
そこで、微妙な水温の変化を感じたり、リトリーブを工夫してみたり、フライを変えてみたり…。脳内でありとあらゆる想像を駆け巡らせ、試行錯誤を繰り返す日々が始まるのです。
そんな、「完全攻略できない湖」という所がまた、釣り人の心をくすぐります。

さて、すっかり支笏湖に心を奪われた僕は、春からトラウトを狙って通っています!
支笏湖と言えば、ビッグトラウト。最大1mを超えるレインボートラウトやブラウントラウトが生息しているそうです。
まさに「日本のパタゴニア」と言っても過言では無い程のビッグサイズ。更に噂によれば、幻の魚、イトウまでもが生息しているかもしれないのだとか…。
釣り人にとって、物凄く大きな夢のある湖の1つに間違いはないでしょう。

チャンスは「濁り」。そして、「風」
(勿論、どちらも関係なく釣れることはありますが)
キーワードは“「風」によって湖面に荒波が起こり、岸際が「濁る」“こと。
この条件が揃うと、ブレイクラインで待ち構えているトラウトがシャローに入り、捕食をするタイミングがやってくる。それが1つのメソッドとなっています!
ところが、「風」と「波」。どう考えてもフライフィッシングでは不利な状況なんですね(笑)
しかも、僕が行っているのはスローリトリーブやデッドスーローリトリーブ。
それでも、”敢えてこの不利な状況で魚をキャッチする事”に魅力や価値を感じて通ってしまうんです。

ちなみに、僕はこの支笏湖でブラウントラウトをキャッチ出来るまでに1年かかりました。

数年かけてもキャッチ出来ない方も沢山います。心が折れてしまう方もいます。しかし、この支笏湖ではそれが当たり前の事。
そんな中、僕の心が折れなかった理由。それは、フライフィッシングは「毛鉤を巻いている時」から釣りが始まっていると思っているからです。
釣れない日々が続く中、家に帰っても支笏湖を想い、どこかで待っているブラウントラウトの事を考える。
「きっとこの時期はあれを食べているだろう」だとか、「少し目立つ様にこの色を入れてみようか?」「これだと動きがよりリアルだな」とか、すっかり僕の脳内はいつも支笏湖にいるんです。

冒頭で「完全攻略できない湖」と表しましたが、どれだけ釣れない日々が続こうが、「諦める」という言葉は初めから湖の底へ沈んでしまったかの様に、毎日毎日想像力を駆使して、釣りに行けない日もあれこれ考え、気付けば夢を描いていて。

「釣れない」ということすら、楽しいと感じてしまう。そんなスタイルに虜になりました。

そして、沢山の悔しさや楽しさ、探究心が積み重なった日々の末、「釣れない」がすっかり馴染んだ景色で突如やってくる「ガンッ!!」というブラウントラウトが自分のフライに食いついてきた瞬間の胸の高まりと感動は、大人になってからでは中々味わえない大きな喜びです。

長年色んな釣りをやってきましたが、フライフィッシングと、フライフィッシングの楽しさを見事に深めてくれる終わりのない支笏湖、僕はこの2つに出会えてとても良かったと思っています。

 

【タックルデータ】

【フライ】
僕が使用しているフライは、シルエットがハッキリしたフライではなく、ゆらゆらとボディーやテールが動く様なフライが多いです。春蝉の時期、または夏が近づくにつれ、フローティングタイプの蝉がキーワードになる事もあります。ドライで釣れるトップゲームも、またエキサイティングな感じです!

 

【ライン】
リーダーやシューティングラインには、やはり僕が1番信頼しているSUNLINE製品です。リーダーには“システムショックリーダーNY”や“システムショックリーダーFC”。そして、“ブラックストーリーム”や磯釣り用のフロートライン“ファインフロート”を使用しています。

 

また、フライの種類や攻め方次第でこれらを組み合わせたり、編み込んだりして使用しています。
例えば、ナイロンとフロロを組み合わせる等、様々な使い方が出来るという点が、僕の楽しみ方の1つになっています。

シューティングラインには遠投性を考慮し、モノフィラでフロートのラインを使用しています。やはり、こちらもSUNLINE製品です。用途は違いますが、フライラインとして問題なく使える物は使用しています。リーダーで使用しているラインは20lb〜12lbです。

これからも、これらの信頼しているSUNLINE製品と共に、まだ叶わぬ夢、“モンスタートラウトをキャッチすること”を追い続けます。
また、それが叶う瞬間を、SUNLINE製品と共に迎えたいと思います。

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