【管理釣り場編】初冬のヘラブナ釣り/棚網 久
皆さんこんにちは。
サンラインヘラテスター棚網久です。
今回ご紹介する初冬のヘラブナ釣り。この時期の変化にどのように対応していけばよいのかを解説したいと思います。
突然ですが魚は私たちとは違い服を着ていないので、水温=体温であり人間以上に温度の変化に敏感です。人間が体感する1度の気温変化は、魚にとっては4℃もの変化に相当すると言われています。
11月に入り外気温が徐々に下がり18℃程度までになると、昼夜の平均を取ると水温は15℃前後になってきます。水温の変化によって釣り方をどのように変えていけばいいのかを詳しく解説していきます。
【水温変化による釣り方】
11月後半~12月に入ると段差の底釣り(段底)はどこの釣り場でも多く見かけますが、意外にも仕掛け(ライン)とウキがアンバランスな方が多く見られます。
水温が下がれば魚の動きも鈍くなり、スレた魚は道糸やハリスの太さにも敏感に反応してくるので、自分が使っているウキのバランスも同時に合わせていかなくてはいけません。
ウキからオモリまではラインは直線であり、太ければ太いほど水の抵抗が増えてきます。この抵抗がクワセであるウドンや力玉に微妙な影響を与え、最終的に釣果の大きな差になってきます。
もちろん魚の大きさによっては道糸を太くしないと心配な方も多いでしょう。しかし道糸とハリスのバランスを整えれば、直線強度は保てますのでその辺りも解説していきます。
【仕掛けの作り方】
道糸は【パワードへら道糸 奏】0.6~0.8号です。
①穂先の結び目は1.5~2cm前後のチチワを八の字結びで作る。
ここに【へら浮子止め糸(M)】を1つユニノットで3回輪にしてコブを1つ結びます。
これを穂先のリリアンに付けて首締めをします。
https://fishing.sunline.co.jp/line/266/
②ウキ止めは松葉式ですが、PEライン0.6号をヨリチチワ結びで道糸に巻き付けて結びます。
ここにも上下1個ずつウキ止め糸を付けていきます。
④道糸、ハリスのジョイントは丸管で接続しますが、ここはパロマーノットで止めて、ジョイント上にウキ止め糸を1個付けます。これは上に付いている板オモリと丸管の接合部の保護の意味で付けています。そして、ハリスは八の字結びのチチワで丸管に付けます。
仕掛けについてはいたってシンプルな物ですが松葉部分は少し時間がかかるので慣れが必要です。ライントラブルが軽減し、細仕掛けでもしっかりとした強度が出るのでぜひ試して欲しいです。
https://fishing.sunline.co.jp/line/258/
https://fishing.sunline.co.jp/line/257/
なぜなら【パワードへら 奏】の道糸とハリスは、「伸びて止まる」そして「瞬時に戻る」を繰り返してくれるからです。
よく伸びるから衝撃が少ないと言われますが、伸びたものが戻らないラインが多いです。知らないうちにタナズレが起きてしまい、なんとなく釣れなくなってしまうなんてことが日常茶飯事だと思います。
しかし、この奏は張りがあるが柔らかいラインの様に復元してくれる性質も持っています。従って延べ竿であるヘラブナ釣りにとって最適な特徴を持ったラインであると確信しています。
道糸はラインの色も一見薄いように見えますが、視認性も高く、早朝の暗い時間帯や夕方でも良く見えます。なぜなら、逆光で光を通して良く見える色合いに設定しており、強度を落とさずに色を配色した、サンラインの特殊技術が使われているからです。
またハリスは、結束強度にこだわり、結び目の際でブレイク率が多いヘラブナ釣りを想定して開発したラインです。さらにヘラブナ釣りは上下の2本のハリスがヨレて絡むことが多いですが、このハリスは真っ直ぐのままヨレを最小限にしてくれますので、トラブルが起きにくいのでおすすめです。
ラインセッティングでお悩みの方はこの奏の道糸・ハリスのセッティングを試してみて下さい!
【初冬の段底と寒気の段底の違い】
段底の釣りの場合、竿の穂先からウキまでの距離とウキからクワセまでの垂直度の違いで釣果が変わってきます。釣り人の理解と経験で変わりますが、基本的にはクワセとハリス、オモリと道糸が直線状になっていないとアタリが出にくいです。
理想は水深と竿を合わせる釣り方がベストでウキからエサまでが垂直になることです。もしヘドロが多くても変化に気づくのが早くなるからです。
また、水深も3m以上になってくると水温が低くなることで魚のウワズリもきつくなるのでよりタイトな釣り方になります。
また、ナイロンは水に浸かっていると水分を吸い変化が起きる性質があります。そのため底の変化に早く気づくラインを使うのがベストになってきます。
【段底の釣り方とタックルデータ】
「水深5mの釣り場の場合」
釣り場は、椎の木湖のような釣り場で段底(タナは下バリとんとん)は基本的に12月中はバラケが入ってからにアタリを取ります。しかし、水深があることで早めのアタリが出やすいので注意が必要です。
バラケが馴染んでからウキが上がる途中からアタリを取っていきます。ウキの上がりをバラケで調整していき、早すぎてもアタリをもらえないことが多いのでバラケをしっかりタナに入れることを心掛けてエサ打ちをしましょう。
時には落ち込みも出るケースがあると思います。ただし、ウワズリも出やすいのでバラケが付いて居るといることを頭に入れて早合わせは注意して取り組みましょう。
「タックルデータ」
12月中~1月15日前後まで
竿 がまかつ 幻将天18尺
道糸 サンライン パワードへら道糸 奏 0.8号
ハリス サンライン パワードへらハリス 奏 上0.4号15cm、下0.4号50cm
ハリ がまかつ 上リフト6号、下クワセマスター3号
ウキ 士天 段底7番、(エサ落ちメモリ下から4番目)
クワセ 力玉(大サナギ付け)2個付け
バラケ
①粒戦細粒 100㏄
②粒戦 50㏄
③セットガン 200㏄
④ダンゴの底釣り夏 30~50cc
⑤水 250~300㏄
⑥ヤグラ 100㏄
⑦セット専用バラケ 100cc
⑧BBフラッシュ 100㏄
※バラケは配合する順番に記載しています。
「水深3m前後の場合」
隼人大池のような水深3m前後の釣り場で段差の底釣り(タナは下バリとんとん)の場合。
こちらも12月中はバラケが付いて居る状態でアタリをもらうケースが多いので、水温を目安に10度前後まではバラケをゆっくり抜くスタイルでアタリを取っていきましょう。
良く練って、タナに毎回シッカリ入れることがセオリーになってきます。バラケが早く抜けすぎるとアタリがもらえないことが多いので注意していきましょう。
「タックルデータ」
竿 がまかつ 我楽 11尺
道糸 サンライン パワードへら道糸 奏 0.6~0.8号
ハリス サンライン パワードへらハリス 奏 0.3号 上10cm、下50cm
ハリ がまかつ 上クワセマスター5号、下クワセマスター3号
ウキ 士天 段底3番 (エサ落ちメモリ下から4番目)
クワセ 力玉大(サナギ付け)
バラケ
①粒戦細粒 100cc
②粒戦 50cc
③セットガン 200cc
④とろスイミー 30㏄
⑤水 200㏄
⑥ヤグラ 100cc
⑦セット専用バラケ100㏄
⑧BBフラッシュ 100cc
※バラケは配合する順番に記載しています。
最後に魚は水温が体温だと話しましたが、1月15日の大寒を前後に魚は動きにくくなるので、そのころを目安に釣り方を変えていくことをお勧めします。
参考までに大寒以降の釣り方、バラケも紹介しますので参考にしてみてください。
「大寒以降の釣り方」
竿 水深に合わせた竿選択をしてください。穂先の20cm前後のウキが立つのが理想です。
道糸 サンライン パワードへら道糸 奏 0.6~0.8号
ハリス サンライン パワードへらハリス 0.25~0.3号 上15cm下50~60cm
ハリ がまかつ クワセマスター上5号 下2号
ウキ 士天 段底 3番(エサ落ちメモリ下から4番目)
クワセ 力玉大(サナギ付け)
バラケ
①粒戦細粒 100㏄
②粒戦 100㏄
③セットガン 200㏄
④とろスイミー 30cc
⑤水 300㏄
⑥ヤグラ 100㏄
⑦セット専用バラケ 200㏄
⑧調整でダンゴの底釣り夏 または BBフラッシュ
※バラケは配合する順番に記載しています。
始めはボソエサのまま打ち込むが途中からシッカリ練っていきます。バラケは必ずトップ一杯までは入れますが、下バリが底に付いたのを確認したらバラケが切れるように調整していきます。イメージとしてはバラケを底に置いてくるイメージが大切で、バラケの抜け方が釣果の差になると言ってもいいでしょう。
アタリは一旦入ったバラケが抜けてからのアタリになることが多いのでクワセだけになった状態でアタリを待ちましょう。タナ取りも慎重に下バリとんとんのタナが理想なので下バリのヅラシ幅が大きいとスレになることが多いので要注意です。
いかがだったでしょうか。今回は主に12月~1月の大寒までの釣り方を解説させて頂きました。これからの時期の釣りが苦手な方はぜひ一度お試し下さい。