【岩本流】多種多様の素材の糸を使いこなすメソッド
みなさんこんにちは、鮎テスターの岩本成幸と申します。
今回は、私が釣りと40年間向き合ってきた経験を元に鮎の糸について詳しく解説させて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて鮎釣りのラインの種類には、ナイロン・フロロ・エステル・メタル・複合と5種類の素材があります。
そして鮎釣りは、養殖オトリから天然アユにいかに早く変えるかが、1日の釣果に繋がると言ってもいいでしょうが、まずは「ナイロン・フロロ・エステル」での釣り方を考えてみましょう。
【ナイロン・フロロ・エステルを使う理由】
一般的にナイロン・フロロ・エステルは、泳がせ釣りに相性が良く、操作がしやいのでオトリ鮎を弱らせずに適度な比重と水切れでオバセの管理がしやすく、「上飛ばし(逆上げとも言う)」「横出し」「L字出し」「扇状出し」としやすく、上下に浮かせたり・沈めたりさせると野鮎に対するアピールがしやすいです。多彩な釣り方も出来るのがメリットです。この3つの素材もそれぞれ個性があるので、状況により使い分けます。
フロロを選択する理由は、擦れや熱に強く直線強度もあり、チャラ瀬・早瀬等オールラウンドに使用でき、感度や操作性にも優れているからです。
ナイロンについてですが、一般的にナイロンは使用頻度が少ないと思います。理由として、フロロと比べキズが入りやすく、吸水による変化や伸びやすさではないでしょうか。
しかし、自分は渓流釣りも鮎釣りもナイロン使用頻度は高いです。フロロやエステルに無い柔軟性がもたらす操作性と直線強力があるので泳がせ釣りには最適と考えているからです。
【仕掛けの紹介】
天糸:ソルティメイト スモールゲームPE-HG 0.3号3mで1m折り返し
水中糸:6m(すべての仕掛け共通)
中ハリス:ハナカンハリス ナイロン 鮎のサイズに異なるが約30cm
竿については9mを基準として各仕掛けを解説します。
【天糸 PE編】
天井糸に【PEのスモールゲームPE-HG】を使用する理由は、感度を上げる為と、もともと柔らかいPEラインの中でもさらに柔らかいため、操作性が良く、他社にはないと思います。
https://fishing.sunline.co.jp/line/305/
【水中糸 ナイロンライン編】
一般の釣り人が何故ナイロンの使用頻度は少ないかは、やはりトータルの耐久性に劣ると思っているからです。
特性とも言える水を吸って伸びると言う観念が釣人からナイロンの使用を避ける傾向にありますが、上記でも述べたようにサンラインのナイロンはかなり長い時間でも充分使用できるので、私はナイロンを選択しています。
https://fishing.sunline.co.jp/line/221/
【水中糸 フロロカーボンライン編】
一般の釣り人は、フロロの一番使用頻度が高いと言ってもいいでしょう。何故、フロロをチョイスするのか。それは、強度、感度、使用感、どの流れでも対応できるからです。
【トルネード鮎水中糸】は0.15号から0.8号の計10号柄あるので、釣り場や掛かる鮎のサイズで細かくチョイスすることができるので使用しやすいと思います。
例えば、山口県の錦川は水量も多く南桑あたりだと川幅もあり使用する糸もフロロなら0.3~0.4号もしくは複合糸0.1号を使用します。
関東の一般的な河川ではフロロ0.2号、複合なら0.06~0.08号で充分です。
号数や鮎のサイズにもよりますが大型の27~28cmの鮎に通しで(穂先からハナカンまで)0.6号を使っても問題はありません。
https://fishing.sunline.co.jp/line/215/
【水中糸 エステルライン編】
エステルはナイロンとフロロの中間の比重(1.44)でナイロンとフロロとは違う感度や耐久性・操作性があります。これは、釣り人の好みもあると私は思っています。
余談ですが【エステル鮎 水中糸】の販売前に【鯵の糸エステル】0.3号を試験的に使用したことがあります。感度、強度は抜群でしたが、朝から釣り続けて午後になったところで24cmのオトリに26cmがかかると引き抜きが出来ず引き寄せて取り込んだ事がありました。不思議に思い後で確認した所、このエステルは僅かに伸びる事が判明しました。
糸が伸びると言う事は、竿に仕掛けの長さを合わせてある鮎釣りでは悩みどころですが、感度・操作性・直線強力に関しては申し分なく、特にオバセを入れないゼロテンションの釣りには金属糸に引けを取らない使用感があります。
ただ、個人的には、擦れについてはフロロの方が優れていると感じています。
https://fishing.sunline.co.jp/line/218/
【水中糸 複合ライン&金属ライン編】
サンラインでは【ZX複合メタル鮎 水中糸】【ハイテンションワイヤー鮎 水中糸】の2種類の製品があります。
軽い【ZX複合メタル鮎 水中糸】(比重3.8)、重い【ハンテンションワイヤー鮎 水中糸】(比重9.7)どちらともオールラウンドに使えます。
【ZX複合メタル鮎 水中糸】は泳がせとして、【ハイテンションワイヤー鮎 水中糸】は瀬釣りや深瀬として個人的に使い分けをしています。
【ZX複合メタル鮎 水中糸】は先にも述べたように比重が軽く、またしなやかなのでフロロやナイロンのような使用感でオバセを入れた泳がせ釣り、ゼロテンションや引き釣り、オモリや背針を付けた瀬釣りなどとポイントを選ばず幅広く使用出来るラインです。そして水切れもよく耐久性(根ズレ)にも優れています。コーティングもしっかりしており目印の移動も気にせず行えます。
https://fishing.sunline.co.jp/line/209/
次にステンレス×タングステンの【ハイテンションワイヤー鮎 水中糸】ですが取り扱いが非常に楽です。比重が重く深瀬や荒瀬(オモリ使用)では、ラインの重さですんなりと水に馴染む点が優れています。もちろん、強度、感度、水切り、キンクのなりにくさに関しては他社に引けを取りません。
瀬の中での使用は直線的な引き釣りがメインになるので縄張りを持った鮎に対する勝負が早いということです。浅い瀬でも使用することができますが、そういった場所では【ZX複合メタル鮎 水中糸】と使い分けています。
【ハンテンションワイヤー鮎 水中糸】の総合的な糸の耐久性は素晴らしく、糸の強度はラインのコーティングが落ちるまで使用でき、1スプール30m巻きで水中糸を6m5本作製すると2年はかるく使用出来きます。これは釣り人にとってお得だと思います。
切れたら売れない、切れなくても売れない。メーカーにとって痛いところであるがハイテンションはファンが多いと思います。
https://fishing.sunline.co.jp/line/212/
鮎の友釣りはいかにオトリ鮎の尻尾を振らせの鮎にどのようにアピールするかです。5種類の糸の種類がある中で釣り方によりライン選択に困ることはありません。
その日の釣れるパターンを早く見つけるのが好釣果に繋がります。引き釣りなのか、止め泳がせか・泳がせなのかなどのポイント選択も重要です。そして、行く河川により放流主体なのか、天然が多いのかなど釣れる鮎に対しての釣り方も考える必要があります。
例えば、水中糸以外にもイカリのハリスの素材を考えてみましょう。
私が使用しているハリスは鮎に絡みにくく尾ビレからの針の重さによるハリスの垂れが私の釣りに合っている【鮎ハリスナイロン・ハード】を愛用しています。
https://fishing.sunline.co.jp/line/226/
皆さんもどの糸が自分に合っているのかをこの記事で参考にしてもらい、自分のスタイルにあった糸を探してみてください!
【年間を通しての水中糸選択】
初期10cm~18cm中流河川 パワード鮎 水中糸0.15~0.175号(流れによって0.1~0,125を使用)
中期18cm~22cm中流河川 パワード鮎 水中糸0.175号/ZX複合メタル鮎 水中糸0.08号
終盤20cm~26cm中流河川 ZX複合メタル鮎 水中糸0.08号/ハイテンションワイヤー鮎 水中糸0.08号
大型鮎25cm~30cm ZX複合メタル鮎 水中糸0.1、0.15号/ハイテンションワイヤー鮎 水中糸0.1号、0.125号
尺鮎以上 ハイテンションワイヤー鮎 水中糸0.4号