五右ェ門
大気・水潮共に静止状態。外乱因子が存在しないため、探索行動に適した環境下と判断。
だが、潮流が動かぬ状況下では、通常、対象生体(AJI-SPECIMEN)は活性を示さないとされていた。
にもかかわらず、21:20──
高輝度照射装置(HEAD-BEAM 04型)により表層水面をスキャンした結果、群体反応を複数確認。
該当生体、アジ型水棲生命体。表層に浮遊し、極低移動速度で同軌道を周回していた。
【行動内容】
・使用疑似餌:CLEAR-WORM【TYPE-X01/透過素材】
・装備:微重ジグヘッド(0.8g/G-FLOAT機構)
対象群体に対し、ワーム型擬似餌を緩やかにリトリーブ展開。
実施2.7秒後、ロッドエンドに微小振動反応あり──捕獲確定。
続けて同手法にて、追加捕獲6体。
この時点で計7体の回収成功。
しかし、22:45をもって突如反応消失。
群体は完全に姿を消し、水面上からの可視反射もゼロとなる。
【考察】
・捕獲個体数:7体(標準サイズ)
・反応消失原因:予測不能
・可能性:群体意思による一時的潜行、または外的要因による座標移動
群体行動パターンは依然不明な点が多い。
とくに「静止環境下における活性反応の発現」は、これまでの定説を覆すデータであり、後日、研究班による再分析が必要とされる。