おもだかの釣り
釣り座へ向かう道すがら、フロントガラスに雨粒が当たりだした。空を見上げると星一つも見ることはできない。いつもの釣り座は複数の明かりが動いている。仕方なく手前でキャスティング。足元は小魚が勢いよく跳ねている。夜が明け始めると眼前に凪潮の水面が広がる。曇り空の静けさの中小雨に打たれていると思わぬ場所であたりを感じる。『汐』が藻の中に入り込み根掛かりをしてしまう。我慢強く獲物をばらさないように根掛かりを外す。時おり大きな魚が跳ねる音が聞こえる。小雨は止んで曇り空の下、静かな空気感を全身で味わいながら釣り座を後にする。『徳を積む』と後々に返ってくる。とくに期待はしないがいつもの行動だ。ありがとう『静まり返って釣り座』
