8月8日 釣れるかな…釣れないかな…

海で見る朝日は、気持ちが良い。

約1週間振りの出船だ。

「台風で海が相当掻き回されているはずだから、釣れるか釣れないかのどちらかの様な気がしますね」

「そうですね。釣れる方だと良いですね」

古田さんと、ちょっぴり不安な気持ちを持ってポイントを目指す。

昨日までの、泥濁りは取れて居るみたいだが…。

黄緑色した、下りの濁り潮のようだ。

ポイントに向けて走る途中、ベイトの様子を見て進む。

台風前までは、ベイトが纏まっていたところに、ベイトの姿が見えない。

「これは、厳しいかな」

水深70メートルの、瀬周りから攻めてみる。

海底付近にベイトの反応はあるが、緊張感のあるベイト反応ではない様に感じる。

「下潮が速いですね」

上潮は0.5ノット前後で、沖に払い出して流れている。

下潮は、それ以上の速さで方に向かって流れている様だ。

コースを変えて、3度ほど流してみる。

「アタリが来ませんね」

その内に、西風が徐々に強くなってきた。

潟から白波が立つ様にもなってきた。

「思い切って、浅場を攻めてみましょう」

水深30メートルの掛け下がりのポイントを攻めてみる。

今までと違う、今日一番のベイト反応が出ている。

「来た。何か来た」

古田さんに待望のアタリが来た。

ゆっくりと慎重に上げていく。

良型のイサキが上がってきた。

「よし、兎に角1枚は出た。まだ来ますよ」

沖に流れては、直ぐに船を戻す。

ラインが引き出されるアタリが来た。

何かがヒットしてくるが、最初の引き込みで針が外れる。

食い込みが浅い様だ。

少しずつコースを変えてみるが、段々とアタリが渋くなってきた。

黄緑色した海の色が、益々緑が濃くなってきた気がする。

引き潮が動いているはずなのに、仕掛けが真下に入り出した。

「変なところで、潮が動かなくなりましたね」

すると、今まで反応しなかった“あいつ”が出てきた。

「あっ、切られた…」

フグが出てきた様だ。

ここで、古田さんと相談して決断する。

「風も出てきましたし、フグも出てきましたね」

「口惜しいけれど、ここで引き上げますか」

「そうしましょう。又、改めて頑張りますよ」

濁りの下り潮、動かなくなった潮、出てきたフグの三重苦。

昼前に帰港した。