6月17日 オジサン狩りに始まって…
最近は、オジサン(ウミゴイ)が、ちょくちょく釣れる。

引きは強いし、一瞬「真鯛だ」と思わせる様な竿の叩き方もする。

今日も、釣り開始からオジサンが来た。

Bさんに来れば、塩田さんにも来る。

時には、オジサンのダブルヒットになった。

「今日は、オジサン狩りすっど」

と、妙な気合いが入る。

食味は「刺身が美味しい」と、もっぱらの評判だ。

私も同級生の飲み会に、真鯛と一緒に持っていったが、最初になくなった。

オジサン狩りに気合いを入れていると、塩田さんに違うアタリが来た。

「これは、オジサンと違う」

上がってきたのは、良型のイサキ。

「よっしゃ、漸くオジサンから脱出」と、笑顔だ。

塩田さんに続けてアタリが来た。

「走り回るね。鯖かな」

上がってきたのは、丸々と太った鯖だった。

今度は、Bさんに強烈なアタリが来た。

竿が、船縁に張り付く様に、曲がっている。

上がってきたのは、2キロ超のバラハタ。

「これは良い」と、笑顔が弾ける。

Bさんに、強いアタリが続けてきた。

「今度も、根魚だと思う」

竿を持つ手に、自然と力が入る。

上がってきたのは、これも2キロ超のキジハタ。

「やった。今日の目標が達成できた」と大喜び。

Bさんの勢いは、これでは止まらない。

「又来ました」

竿先をガンガンと叩く様なアタリ。

「また、オジサン狩りの始まりか」と、心配したが上がってきたのは、良型のイサキ。

次も直ぐに来た。

良型のチダイだった。

塩田さんも、負けていられないとアタリを捕らえる。

上がってきたのは、焦げ茶色した見事なイサキ。

Bさんに又しても、イサキが来た。

朝間詰めは、二人の竿が交代で曲がる。

時折、沖目のポイントで強烈なアタリが来て、やり取りの途中で逃げられることもあった。

満潮の潮止まりを迎えた時を期に、ポイントを移動する。

次のポイントは、私が移動したかったポイントに他の船が入ってきた事もあり、また、別のポイントへ移動する。

「此処は、初めてのポイントです」

小さな岩が残っている、元は魚礁があったポイントだ。

此処で塩田さんの新兵器の電動リールが登場。

動きが悪い潮の中、ジギングでアタリを捕らえている。

「何か来た」

ピッチの早いシャクリに、アタリが来た。

上がってきたのは、大きなアカヤガラ。

「美味しい刺身が出来るよ」と、笑顔。

その後にもアカヤガラが来て、連続ヤガラとなった。

2匹のアカヤガラを持って、その長さを比べる。

「デカイですね」と、Bさんも笑顔だ。

そのBさんの竿が、何か大きな獲物のアタリを捕らえた。

「水深が有るので、ゆっくりと楽しんでください」

時折、ドラッグ音が鳴り、ラインが出ていく。

「見えた」

「おお、良い真鯛だ」

上がってきたのは、73センチ、4.4キロの見事な真鯛。

神経締めも巧くいった。

「やったね。流石だね」と、祝福の握手。

まだ真鯛は居るはず、と気合いを入れて仕掛けを落としていく。

「あれっ、下潮が行き始めた」

上は下り潮だが、下は上り潮が動き始めた様だ。

「じゃあ、ポイントを移動しましょう」

北方向に向けて、船を走らせる。

北東の風が吹き始めている事もあり、風に向かって走ることになった。

「瀬の落ち込みにベイトが居ます。ここからね沈み瀬が3つ有りますので其処を流してみます」

海底から少し浮き上がったベイトが、蛇行する様に反応している。

Bさんに鰺がきた。

ベイトは、この真鰺かも知れない。

すると、Bさんの竿が、合わせと同時に舞い込んだ。

「来た」

「何のごつ有る」

「多分、鰤の様な感じです」

緊張感のあるやり取りが、繰り広げられる。

「何か見えた」

Bさんが、海中にうっすらと光る魚体を見つけた。

「おっ、見えた」私も、光る魚体を確認した。

「鮫…」

「違う。鰤や」

塩田さんも、確認した。

海面に大きな鰤が上がってきた。

一発でタモ入れし「やったー!」と、3人でガッツポーズ。

102センチ、9.2キロの見事な鰤だ。

「今日は、出来過ぎや」

と、Bさんの笑顔が輝いている。

ガッチリと祝福の握手をする。

帰港する前に、もう一カ所ポイントを移動した。

「三人で釣りましょう」

Bさんが手渡してくれた竿を出していた私に、アタリが来た。

アカヤガラだった。

「今日の締めは、アカヤガラですね」と、塩田さん、Bさんの3人で笑う。

「じゃ、帰りますか」

楽しい、愉快な釣りを終えて、帰港した。

良い釣果に、恵まれた。