4月22日 アヤメカサゴの日かな
朝早く、穏やかな海を走るのは気持ちが良い。

「これで、風が変わらなければ尚良いね」

大島沖のポイントに向かいながら、風の方向が気になっている。

ポイントにはいると、北北西の風が緩やかに吹いていて「今日は釣り日和」と、思わせてくれる。

脇坂さんがスロージグで、蔵屋さん、長友さん、Kさんが鯛ラバで釣り開始。

魚探にはベイトの反応は出ているが、これまでと違ってベイトの群れが小さい。

潮自体は、下り潮がゆっくりと南に流れている。

蔵屋さんにアタリが来た。

長友さんにもアタリが来た。

お二人とも「最初だけ引いたけど、後は全然引かない」

「根魚ですかね」

「小さいですね」

蔵屋さん、長友さん共にアヤメカサゴだった。

「最初の一匹が釣れたことで少し安心かな」と、笑顔だ。

脇坂さんのジグにも、何やらアタリが来た。

「何のごつある?」

「重てーな。全然引かんけど…」

やがて、海面に姿を見せたのは小さい鮫だった。

針を外して、直ぐに海に帰す。

「出足が嫌な奴やったな」と、苦笑い。

船を戻して二流し目に入ると、又しても蔵屋さんにアタリが来た。

Kさんにもアタリが来た。

これも、お二人ともアヤメカサゴ。

「今日はカサゴ祭りの日かな」と、笑顔になる。

この後、又しても脇坂さんにアタリが来た。

「引かんな。小さいな」

上がってきたのは、まずまずの型のアヤメカサゴ。

「カサゴしか、居らんちゃろうか」

すると蔵屋さんに、これまでのアタリとは違うアタリが来た。

上がってきたのは、35センチを超す良型の真鰺。

「こんだけの型の良い鰺か来れば、良いよな」

蔵屋さんの味を見て、皆さんに元気が戻る。

本命の真鯛や青物のアタリは来ないが、何かのアタリが続いている。

3流し目に入っても、Kさんに長友さん、蔵屋さんにアヤメカサゴに真鰺、イトヨリ鯛のアタリが続く。

どうしても、真鯛のアタリが欲しいのが皆さんの希望。

「ポイントを変えてみましょう」

「何処に行きます」

「最近は行っていなかったですが、チョット深い90メートルのポイントに行ってみましょうか」

「おっ、良いですね」

すぐに移動開始。

ポイントに着くと「あれ…。風が変わってきたね」

さっきまでの北北西の風が、北東に変わってきている。

波も、少しずつ立ち始めている。

「余り長い時間、ここには居られないかもですね」

一流しが終わる頃には、波も高くなっていた。

二流し目に蔵屋さんに鰺が来たところで、残念ながらポイントを内場に移動する。

内場に入り、沈み瀬周りを流していると、蔵屋さんに強いアタリが来た。

竿先を叩くアタリに、真鯛を想像する。

「真鯛だったら良いですね」

やがて海面に姿を見せたのは、大きなイトヨリ鯛。

「良い型ですね」

「真鯛かと思っていたので、少し残念ですね」と笑顔。

脇坂さんにもアタリが来て、良型のイトヨリ鯛が上がってきた。

「なかなか本命が来ませんね」

Kさん、長友さんの願いがなかなか通じない。

蔵屋さんに40センチ近い真鰺か来た。

「良い型ですね」

と、見ていたKさんにアタリが来た。

「何やろうかい」

楽しそうにラインを巻き上げる。

上がってきたのは、ガンゾウヒラメ。

「私のはガンゾウヒラメでした」と、笑顔。

この後も、皆さん頑張って竿を降り続けられたが、本命の姿は現れなかった。

「今日は引き上げますか」

北東の風に向かって、帰港した。