2月3日 エソの猛攻の中から

水平線に雲が無く、上がってくる朝日。

「今日こそは、鰤が釣れますように」と、手を合わせる。

北西の風がやや強く、波があるが釣りにくくはない。

牛衛さんが電動リールを使って、釣り開始。

静かな感じで、スタートした釣り。

緩い上り潮に乗って、船は真北に流されていく。

私も牛衛さんと一緒に、竿を出すことにした。

「来た」と牛衛さん、私にも同時にヒット。

「縺れていませんよね」

ライントラブルを気にしながら巻き上げていく。

牛衛さんには、オオモンハタがダブルヒットしていた。

「良い型のオオモンハタですね」

「ラインが出ると思ったら、ダブルヒットやった」と笑顔。

どちらも良型で、丸々としている。

私にヒットしたのは、エソだった。

このエソが、この日のエソ猛攻の始まりだった。

船を戻して、流すコースを少し沖側に設定する。

牛衛さんにアタリが来る。

私にもアタリが来る。

枝針にもエソが着いてくる。

そんな中、牛衛さんにチョット違う感じのアタリが来た。

上がってきたのは、アオハタ。

「久し振りにアオハタを釣りました」

しかし、その後は又してもエソの連発になった。

「ポイントを変わりましょう」

船を北東方向に走らせる。

釣りを再開して、牛衛さんに直ぐにアタリ。

上がってきてのは、レンコダイ。

しかし、ここでもエソの連発。

「本命が来ても良さそうなんですけどね…」

ベイトは、海底から立ち上がるようにして、映し出されている。

「こんだけベイトがいれば、何かがいても良いと思うんですけどね」

牛衛さんと一緒に、悩んでしまいそう…。

おまけに潮も動きが悪くなり、0.3ノット程度になってしまった。

別なところにいる、船仲間に連絡。

「そっちの潮はどんな感じですか」

「上りが動いてますよ。ただ、色がすこし悪くなってきた感じがします」

でも、潮が動いていると言う言葉を聞いて、直ぐに移動する。

ここで連発してきたのは、エソもだが、美味しいアヤメカサゴ。

アヤメカサゴの一匹目は私に来た。

「今日初めて、エソ以外の魚を釣りました」と、つい嬉しくなった。

牛衛さんにも、直ぐにアヤメカサゴが来た。

船を一流しするたびに、アタリは可成りあるのだが、その大半は大きなエソ。

私にも、牛衛さんにもドラッグ音がなるアタリが一度だけ来たが、途中で針外れ。

潮自体の動きがイマイチなのと、潮が上り潮なのに緑色掛かった「濁り潮」を思わせる色。

悪条件が揃っているみたいだ。

アヤメカサゴは、6匹ほど続けてヒットしてきた。

「味噌汁にすると美味しいですね」

型のまずまずなので、これはこれで嬉しい。

しかし、ベイトが盛り上がっているところでも、本命とする鯛や青物がアタックして来ない。

牛衛さんの竿が、小気味よく曲がっている。

上がってきたのは、良型の真鰺。

「鰺がいるのなら、青物がいるかも」

竿を持つ手に力が入るが、願うアタリは出てこない。

ポイントを変わって、何処に行っても今日はエソの猛攻。

夕方になり「夕間詰めのゴールデンタイムも空振りかな…」

小鯛とガンゾウヒラメ、ホウボウ等も含め、エソとフグを混ぜれば、今日釣り上げた魚は11種類。

「色々と数は釣りましたね。でも、ガツンと来るアタリが欲しかったですね」

「口惜しいけど、次回に期待しましょう」

夕日を正面から受けて、帰港した。