開進丸
８月１６日調子が出ない
釣り始めて、最初のアタリは、直ぐに来た。
「おっ、何か来た」
黒木さんの竿に、アタリが来た。
「突然アタリが来るんですね」
船釣り初挑戦の黒木さんに、幸先良い初アタリ。
良い感じで、竿が曲線を描いている。
獲物が浮いてきた。
「太刀魚です」
指４本クラスの、良型太刀魚だ。
「釣れました」
黒木さんの笑顔が、朝日に映える。
「又、何か来ました」
良い感じで、アタリが出ている。
上がってきたのは、太った鯖だった。
朝の潮は、沖に払い出す上り潮。
しかし、流れが１ノットを超す、速い流れになっている。
「着底が分かりづらいですね」
塩田さんに、色々なアドバイスを貰いながらアタリを探っていく。
船首では、塩田さんもアタリを捕らえている。
暑い日差し避けのフルフェイスマスクが、良い感じだ。
上がってきたのは、アヤメカサゴだった。
朝間詰めに、青物やハガツオを狙うが、なかなか調子が上がってこない。
海中では、良い感じのベイト反応が出てこない。
「ベイト反応が無くなりましたね」
船仲間達も、ベイト反応が出てこない事に困惑している。
少し、船を走らせてベイト反応を探す。
ベイト柱が１本出てきた。
直ぐに船を戻して、潮上から流していく。
黒木さんに、良型の真鯵がヒットしてきた。
「真鯵は嬉しいですね」と、笑顔が輝く。
塩田さんには、レンコダイがヒット。
「スレ掛かりだから、変な引きになるんだ」と、チョット苦笑い。
黒木さんに、カサゴやオキアジがヒットしてきた。
鯖も、ポツポツとヒットしてくるのだが、一回り小型になっている。
塩田さんにも、ウッカリカサゴがヒットしてきた。
「今日は、カサゴ祭りかな」
ポイントを変えて、色々と探っていく。
エソが時々ヒットしてきては、リーダーを傷つける。
「調子が出ないけど、諦めるわけには行かない」
気持ちを引き締めなおして、竿を出す。
塩田さんに、強いアタリが来た。
「竿を叩く分、真鯛だと嬉しいけど」
期待を込めて、ラインを巻き上げる。
「真鯵です」
４０センチクラスの良型の真鯵だ。
「良い感じの、引き味やった」と、塩田さんの感想。
黒木さんに、強い走りのアタリが来た。
「何か来ました」
笑顔でやり取りが始まる。
「結構な走りをしますね」
上がってきたのは、ヤイトガツオ（スマカツオ）。
「これは、美味しい魚ですよ」
「トロカツオと呼ぶところも有りますよ」
「刺身が良いですかね」
「刺身は、最高ですよ」
「お腹の処に、黒い斑点が３つ有るでしょう。これで、ヤイトガツオって呼ばれて居るんですよ」
納竿前の、黒木さんのスマカツオの釣果に、食談義が賑やかだった。
