12月24日厳しいけど、こんな日もある
早朝に、沖に出てみたら「何、このウネリ」

風は、北西の風が吹いている。

北東から高いウネリが、寄せてくる。

先に出ている仲間に、連絡してみた。

「そっちは、波はどうですか?」

「波が高くて、隣にいる仲間の船が見えなくなる」

「なんの波ですかね」

「風は北西が強めに吹いちょるけどね」

作本さん、郷さんも朝のウネリに、チョット戸惑い気味。

釣りを開始する。

潮は緩い上り潮が、北東方向に流れている。

速度は、0.8ノット前後とやや緩い感じだ。

郷さんがジグで探り始めるが、仕掛けは真下に入っていく。

作本さんの仕掛けも、真下に入っていく。

なかなか、アタリが出ない。

生き餌を使ってみたりと、仕掛けを変えるが厳しい状況。

作本さんの生き餌に、アタリが来た。

竿先の動きで、鰺が暴れているのが伝わってくる。

「食い込まないな」

その内、竿先からアタリ反応が消えた。

仕掛けを上げると、餌が傷だらけになって弱っている。

「それじゃ、ダメだから取り替えよう」

新しい鰺子に取り替える。

郷さんも、渋いアタリに手こずっている。

「ポイントを変えましょう」

東側の、魚礁の名残があるところに移動する。

「ベイト反応はあります」

ベイト柱が、何本も立っている。

「これは、当たりそうな気がします」

確かに、アタリは来る。

作本さんの竿が、大きく舞い込むが針掛かりしないで、餌だけとられる。

郷さんも同じ状態だ。

出足の苦戦を何とかしたい。

「少し走ります」

走りながら、何カ所かのポイントを覗いてみる。

「なかなか良いベイト反応が無いですね」

4カ所目のポイントに、良い感じの反応が出た。

直ぐに仕掛けを落としていく。

「おおっ、あっ…」

郷さんの声がした。

振り返ると、PE4号が切れている。

「海底付近で、ゴツゴツとアタリが来たけど切れた…」

作本さんにもアタリが来ているようだが、食い込みが渋い。

「鯛ラバに変えてみます」

作本さんが鯛ラバに変えて、直ぐにアタリが来た。

レンコダイだった。

「良型のレンコダイやね」

真鯛ではなかったが、チョット嬉しい気持ち。

船を戻して、魚礁の上を流してみる。

インチクに変えていた、作本さんに強いアタリが来た。

アワセが入った。

しかし次の瞬間、獲物の強い引きで、10号リーダーが切れた。

「なんやった」

「多分、根魚です」

「大きかったみたいね」

作本さんも、郷さんも大きな力強い相手に、ラインやリーダーを切られた。

「やられっぱなしは、口惜しいな」

この気持ちは、痛いほど分かる。

しかし、昼過ぎになって、急に北東の風が強くなってきた。

波も、急に高くなってきた。

「切られたままでは、帰りたくない」

思いは私にもあるが、船の揺れが半端ではなくなった。

「ここは、帰りましょう」

郷さんの言葉で、帰港することにした。

「厳しすぎるけど、こんな日もありますね」

「こんな日もありますよ。それが釣りですよ」

自分で、自分に言い聞かせて帰港した。