11月20日船で追い掛けた奴

昨日の雨模様が、嘘のようにスッキリと晴れた。

海面に反射する光が、眩しい。

風も思った程、吹いていない。

「今日は、久し振りにゆっくりと釣りが出来るかも」

ポイントの潮は青みはあるが、下り潮。

潮は0.8ノット前後と、釣りやすい速さで流れている。

原さんに、本日最初のアタリが来た。

イラが上がってきた。

「見た目よりも美味しい魚ですよ」

と、クーラーに納める。

今日のアタリの出方は、連発とは行かないようだ。

3流し目に、次のアタリが来た。

針掛かりした獲物は、突っ込んだり、船の方向に走り上げたりして、やり取りも大忙し。

「ハガツオみたいですね」

3キロ近いハガツオが、上がってきた。

「前回もハガツオやった」と、笑顔の原さん。

この後、なかなかアタリが出なくなってきた。

「原さん、他のポイントに移動しましょうか」

やや水深のある、ポイントへ移動する。

「此処は初めてですかね」

「多分、そうだと思います」

「此処の下には、古い魚礁があります。ベイトは多いところです」

原さんが、直ぐにジグを落としていく。

すると、直ぐにアタリが来た。

上がってきたのは、サゴシだった。

「こんな沖でも、サゴシが来るんですね」

予想外のサゴシに、チョット驚いた感じだ。

次のアタリも、直ぐに来た。

今度は、レンコダイが上がってきた。

暫くは、レンコダイが連発してきた。

「真鯛が欲しいところですね」

「私も同感です」

最近、真鯛のアタリが出ないことが多くなっている。

「何とか1枚」と頑張っていると、ガツンと強いアタリが来た。

ここから、体力勝負が始まった。

「これは、大きいですよ。前に行きます」

「追い掛けましょう」

強烈な走りを見せている相手を追い掛けて、何とかして浮かすことにした。

24分間の格闘の始まりだ。

少し浮かしては、海底ぎりぎりを走られる。

ドラッグ音が、船のハンドルを握る私にも聞こえてくる。

「ウネリの上下動に気を付けてくださいね」

底走りする獲物が、右に左にと強い力で竿を絞り込む。

残っている力を振り絞って、原さんが浮かしに掛かる。

「見えてきた!」

「えーっ……サメだ。尾長サメだ…」

頑張ってきた力が、一度に抜けてしまった。

「引き上げましょう」

尾鰭を握って、原さんと二人掛かりで船首に引き上げる。

「うおりゃ!!」

「おりゃ!!」

掛け声も、力が入る。

二人で、やっと引き上げる重さだ。

「何キロくらい有るやろ」

「20キロ以上有りそうやね」

「二人でやっと、引き上げましたからね」

「30キロはオーバーかな」

手元の秤は、25キロまでしか計れない。

「逃がしましょう」

「もう、来んなよ」

海に帰すと、大きな水飛沫が上がった。

「だれたー」「腰が痛えー、肩も腕もパンパンになった」

しばらく休憩して、ジグを落としてみた。

「なんか来ました」

指4本を少し越したタチウオが、上がってきた。

「もの凄く軽く感じました」

原さんが、タチウオを掲げて笑っている。

「この竿とリールで、今後は大物と勝負できますね」

原さんの爽やかな笑顔が輝いた釣りだった。