9月23日もう少し、待って欲しかったな
最近は、速い潮に悩まされたり、南よりの風邪に悩まされたりしている。

潮についても「泥潮やね」と、船仲間の漁師さんも頭を抱える潮に困っている。

そんな状況の中、自分の勘を信じて入るポイントを決める。

仲間達も、それぞれのポイントに船を走らせる。

最初に入ったポイントの潮は、下り潮が0.8ノット前後で流れている。

ベイト反応は、イマイチ良い反応は出ていない。

それでも、海底付近に僅かに出る反応に仕掛けを落としていく。

畠中さんの最初のアタリは、ウッカリカサゴだった。

美味しい魚を釣り上げて、チョットだけ笑顔になる。

この後にも、もう1枚カサゴがヒットしてきた。

「今日は、カサゴ祭りになりそうですね」

久家さんと、楽しそうな会話が広がる。

畠中さんの次のアタリは、竿先を叩くアタリ。

「真鯛みたいですね」

「真鯛なら、嬉しいですね」

ゆっくりとラインを巻き上げる。

海中にピンクの魚体が見えてきた。

50センチ、1.4キロの美味しいサイズの真鯛だ。

「良かったですね」

直ぐに神経締めをして、血抜きをする。

釣り始めは、潮の色がイマイチの気がしていたので、この真鯛の釣果は嬉しい。

久家さんにも、アタリが来た。

久家さんの釣りは、一つテンヤが主だ。

良型のウッカリカサゴだ。

この釣果の前には、真鯛の前アタリと思われるアタリが来ていたのだが、なかなか針掛かりまで行っていない。

「真鯛が、もう一枚欲しいけど…」

そんな思いが通じたのか、久家さんにアタリが来た。

久家さんの竿が、良い感じで弧を描いている。

「この楽しいやり取りの時間は、釣り人だけの時間ですね」

ゆっくりと、確実にラインを巻き上げていく。

真鯛の姿が見えてきた。

51センチ、1.6キロの真鯛。

「これも、美味しいサイズですね」と、笑顔になる。

やはり、神経締めと血抜きをしてクーラーへ。

「好事魔多し」と言う言葉がある。

真鯛のアタリが続いて「よっしゃ、今からやど」と、思った。

しかし、朝から吹いていた北東の風が、段々と強く吹き始めてきた。

その風に押されるように、船が1.5ノット前後で流れ始めた。

「ポイントを移動しましょう」

少しでも、北東の風が避けられる処に移動する。

でも、北東の風の強さは増すばかり。

海上も白波だらけになってきた。

「帰りましょうか」

安全第一を考えて、帰港することにした。

内場の白波も凄かった。

風が強くなるのを「もう少しだけ、待って欲しかったな…」