9月20日雨の中
早朝は、陽も差していた。

「このまま、雨が降らんければ良いけど」

スマホで雨雲を確認すると、8時前には雨が降り出しそうだ。

その前に「キャスティングをやりたい」と希望している原さんが船首に立ち準備万端。

水島3瀬、4瀬のサラシを狙う。

「サラシが出来ているかな」

海がべた凪ぎになっている事もあり、サラシは小さい。

キャストを繰り返す。

原さんにアタリが来た。

キャスティング竿が、大きく撓っている。

しかし…。

カメラを構えた時と、針が外れた時が同時だった。

「針が伸びました…」

ルアーのトリプルフックが伸びていた。

気持ちを整理して、ジギングに切り替える。

ポイントも、移動する。

潮は、0.8ノット前後で下り潮が流れている。

昨日と大きく違うのは、ベイト反応の凄さ。

「海底から、20メートル以上ベイト反応が出ています」

原さんがジギングで、横山さんが鯛ラバで攻めていく。

直ぐに原さんにアタリが来た。

海面近くで、大きな魚がヒットした。

「シーラです」

シーラは「万力」とも言うだけに、その走る力はなかなか衰えない。

そのシーラを、力づくで引き寄せる。

1メートル近い、良型のシーラだ。

船上に上げると、バタバタ暴れ回るが、押さえつけて血抜きをする。

船首で頑張っている、横山さんにもアタリが来た。

「何か小さいですね」

上がってきたのは、アヤメカサゴ。

「今夜の味噌汁が来ました」と、笑顔。

この頃になると、雨がパラパラと降り出した。

雨粒も、徐々に大きくなってきた。

「カンカン照りよりマシです」

原さん、横山さんが雨の中頑張っている。

原さんのジグに、アタリが来た。

「これ、スマカツオですかね」

小型のカツオが上がってきた。

鯖も海面近くでヒットしてきた。

横山さんには、石鯛釣りで良くヒットしてくるテンスがヒットしてきた。

雨がピークの時間帯。

「あれなんですか?」

横山さんが、教えてくれた方向を見ると、海面に背びれが見える。

「サメですね。シュモク鮫じゃないですか」と、原さん。

船の直ぐ近くを通って、見えなくなった。

サメを見送った後、横山さんにアタリが来た。

「余り引かないですね」

「タチウオかもね」

早朝に、横山さんは仕掛けを切られていた。

指3本半位のタチウオだ。

「初めて、タチウオを釣りました」

タチウオの銀色に光る魚体は綺麗だ。

漸く、雨も小降りになって止み間も出てきたが、風が南東から南西に変わり強く吹き始めてきた。

より激しい雨で、岸が見えなくなっている。

「今日は、帰りましょうか」

正午頃、天候が大きく崩れる前に帰港した。