5月17日 何で…?
釣りには「何で…?」と思うことが良くある。

仲間と同じところで釣っていても、自分にはアタリがこない。

仕掛けは、ベイトの中にある筈なのにアタリがこない。

良い潮なのに、何でアタリがこない。

等々、書き上げだしたら次々に出てくる。

「これもそれも、釣りの中よ」

そう自分に言い聞かせても、簡単には納得いかない。

今日の釣りが、当にそれだった。

最初のアタリは、渕上さんに来た。

「そんなに引かないかな。いや、チョット抵抗しますね」

針掛かりした獲物の正体を想像しながら、ラインを巻き上げていく。

「あっ、イサキだ」

型の良い、焦げ茶色した体色のイサキが、上がってきた。

「よーし、これが続けば良い感じになるぞ」

そう思って、魚探を覗くと凄いベイト反応が出ている。

しかし、2匹目のイサキのアタリがこない。

「可笑しいな?」

そう思っていたら、金丸さんにアタリが来た。

「なんか鰺っぽいアタリだね」

ゆっくりと、仕掛けを巻き上げていく。

30センチクラスの良型の真鰺だ。

次の当たりも金丸さんに来た。

これも、30センチを超すような良型の真鰺だ。

出足としてはまずまずなのだが、真鯛のアタリが出ない。

瀬周り、ベイト反応の良い場所と、潮に乗せて船を流していく。

潮は緩い上り潮が、沖に払い出している。

潮の速さは0.8ノット前後と釣りやすい速さだ。

下潮も、まずまず効いている。

これで何故、真鯛がヒットしてこない。

「何で…?」

ベイトを探して。仕掛けを落としていく。

渕上さんにアタリが来た。

「小さいアタリですね」

「鰺ですかね」

「いや、走り出しましたね。何だろう?」

「鯖ですかね」

やがて海中に姿が見えてきた。

「ハガツオですね」

2キロ有りそうな良型のハガツオだった。

「ハガツオは嬉しいですね」

しかし、この後が続かない。

又しても「何で…?」と、考えてしまう。

ベイトの正体も、小型の鰺やカタクチイワシ、小型の鯖と、その場所その場所で違う魚種になっている。

青物が出てきても良い感じなのだが…。

底を探ると、ウッカリカサゴはヒットしてくる。

あっちこっちとベイトの良そうな場所を探り続けていると、風が変わってきた。

これまで緩く吹いていた南東の風が、やや南西の風に変わり始めた。

「風が変わって、波立つことが予想されます」

船を直ぐに帰れるところまで移動する。

移動した場所でも、相当なベイト反応はあるのだが、風の影響があるのかアタリが出てこない。

「波もタンク成ってきましたし、帰りますか」

チョット早いが、昼前に帰港した。