1月29日 強い北西風、速い上り潮

朝は曇り空で、北西の風が強く、風が冷たかった。

潮は、上り潮が入り、良い色をしていた。

しかし、その潮の流れは、2ノット以上と底取りに苦労させられる。

おまけに、風は北緯の風なのに、北東からのウネリが高い。

目線を超える高さではないけれど、船が大きく揺れる。

「予想外のウネリですね」

「思ったより、波がありますね」

横山さんと、そんな話をしながら、瀬周りのベイトを探す。

「着底が取れますか」

「2度目から、可成り厳しくなりますね」

「風に向かって流れるくらいの速さですよ」

「2度目の着底を取るのに、可成り糸が出ていきますね」

苦労して着底を取り続けていると、横山さんにアタリが来た。

竿先の叩き方を見ていると、真鯛のようだ。

「真鯛ですね」

「多分、そうですね」

上がってきたのは、1キロ超の真鯛。

お腹には、卵が入っていた。

「まずは、1匹釣れて気持ちが楽になりましたね」

「良かったです」

強い北西風と、速い上り潮に、苦戦を強いられる中での真鯛は嬉しい。

しかし、この後は真鯛と思われるアタリが全て甘噛みになって、針掛かりしてこない。

風を少しでも避けられるところを探して、ポイントを移動する。

移動するときは、波しぶきが正面から被ってくる。

分かっていたことだが、内場も凄い風波が立っている。

内場で浅場を中心に攻めていると、やはり真鯛らしいアタリが出てくる。

でも、ここもなかなか針掛かりしない。

アタリが来ても、ぐっと我慢して走るのを待つ。

すると「何とか乗りました」

竿先をコンコンと叩くアタリだ。

「真鯛ですかね」

「だと良いですね」

上がってきたのは、良型のイトヨリダイ。

「良い型ですね」

「渋い中で何とか取れましたね」と、思わず笑顔になる。

この後も、食い渋りは続いた。

しかし、風がなかなか止む気配もない。

「今日は、帰りますか」

昼過ぎ、北西の風に向かって、帰港した。