12月14日 風は分かっているけれど
大島沖に出てみた。

案の定、北東の風が強くなっており、ウネリも高くなっている。

目線を越えるほどではないが、寄せてくる波で船が揺れる。

「白波も凄いし、風も強気なっている。長くはいられないね」

「そうですね…」

「風が出るのは、分かっちょったけど、昨日の凪が嘘のようやね」

「じゃかいですよね」

稲用さんも、天気の変わりように驚いている。

結局、2~3度ほど流してみたが、風が段々強くなってきたこともあって、内場に入った。

「今日は厳しいね」

内場でも、北東の風が回り込んでくる。

鵜戸方面に行った大磯先輩から「こっちは北風が強い。波も高けーし、帰るわ」と連絡が来た。

私たちも途中帰港を想定して、竿を出す。

風の影響もあるが、船は南に流されていく。

2流し目に入った時、私にアタリが来た。

海中では「サワラか」と思ったが、海面に姿を見せたのは3キロクラスのハマチだった。

「ハマチがいたね」と、笑顔になる。

暫くすると、稲用さんにアタリが来た。

ドラッグからラインが引き出される。

「良い引きやね」

上がってきたのは、56センチ、2.1キロの良型真鯛。

「此でボーズは無くなったね」と、笑顔になる。

この後、稲用さんは50センチクラスのサゴシを追加。

時間経過とともに、内場でも白波が立ち始めた。

他の船が水島目掛けて走っていくが、波と風に途中で引き返してくる。

遠目に見ても、波の高さが分かる位になった。

「流すポイントを変えてみようか」

魚探に映るベイトは少ないが、海底から浮き上がるようにベイトボールが出てくる。

ヒットしてくるエソも多い。

そんな中、稲用さんにヒット。

「来ました!ハマチです」

ハマチの走りを楽しみながら、ラインを巻き上げていく。

上がってきたのは、3キロクラスの良型ハマチ。

「よかったね。ハマチが来たね」と、悪天候の中の思わぬ釣果に笑顔になる。

稲用さんは、いつも粘りを発揮して好釣果を上げる。

船を戻して、再び釣り開始。

「なんかが触るっちゃけど、掛からんね」

「なんか居ますよね」

二人でこんな話をしていると、稲用さんにアタリが来た。

「どんな感じや?」

「多分ハマチです」

「良い引きするね」

「走りますね。楽しいですね」

上がってきたのは、此も3キロクラスのハマチ。

「この時化で、内場でハマチが3本出れば良いですね」

稲用さんとボーズ覚悟の今日の釣りだっただけに、嬉しくなる。

北東の強風で、沖のポイントは行けなかったが、釣果は満足。

昼過ぎに、北東の風に向かって帰港した。