11月28日 持ってますね
「今日で、ジギングは2回目です。面白さに、はまりました」

竹本さんに、どんな結果が待っているのか、心躍る気持ちと一緒にポイントを目指す。

スロージギングでいつも釣果を上げている、Xさんも一緒だ。

海上は、昨日からのウネリが残ってはいるが、白波は立っていない。

風も北西の風が吹いていて、釣りは出来る。

最初の流しは、潮行き等を確認する。

緩い下り潮が、真南に流れている。

その速さは、0.7ノット前後と釣りやすいベストの流れだ。

潮の色が、下り潮独特の緑色がかっているのは気になる。

竹本さんにアタリが来た。

本日の初アタリ。

慎重にラインを巻き上げていく。

一瞬、真鯛かなと思わせるアタリだったが、上がってきたのは良型のサゴシ。

針を外し、ジグを落とすと、次のアタリが直ぐに来た。

今度は、良型のイトヨリダイだった。

竹本さんが静かな中に、確実に釣果を伸ばしていく。

青物のアタリは、まだ来ないが、魚探にはベイトの反応が良い感じで出ている。

「立ち上がりのベイトが、沢山並んでいます」

「何かが寄っているかもしれませんね」

すると、竹本さんに強いアタリが来た。

竿を縦に引きながら、引き抜きスタイルで獲物を巻き上げていく。

途中で、獲物が何度も走り、突っ込んで抵抗している。

「あっ…、切れたみたい」

何度目かの突っ込みで、リーダーが切られた。

「惜しかったですね。又来ますよ」

船を元に戻して、ポイントのやや北寄りを流していく。

Xさんと竹本さんが、直ぐにジグを落としていく。

このポイントで、竹本さんにドラマが待ってた。

ジグのホール中にアタリが来た。

「瀬掛かり?いや、違う。何か来た!」

アワセを入れると、獲物が強烈な走りを見せる。

ドラッグ音が成り、ラインが出ていく。

相手も必死な抵抗を示す。

竹本さんも、竿を持つ手に力を込めて、海面に獲物を引き上げる。

「見えた。おおっ、ハタだ」

73センチ、6.3キロのチャイロマルハタ。

「やりましたね!竹本さん、持っていますね!」

がっちりと祝福の握手を交わす。

竹本さんの笑顔が良い。

直ぐに仲間達に写真を送ると、驚きや祝福の言葉が返ってくる。

しかし、風が北東に変わって、白波が立ち始めた。

昨日のこともあるので、内場に安全優先で移動する。

ここでも、竹本さんにアタリが来る。

ガンゾウヒラメが、ヒットしてきた。

Xさんにもアタリが来た。

上がってきたのは、良型のサゴシ。

「この時期に、まだサゴシがいるね」

魚探には、サゴシらしい反応も出ている。

何度も、ジグに触ってくるのだが、時折リーダーが傷ついている。

「サゴシが触っていますね」

なるべくサゴシを避けたいと思っているけど、なかなか厳しい。

また、少し沖合に出ていくと、目線を越えるウネリが入ってくるようになった。

「明日は、厳しいかもしれませんね」

「今日は、帰りましょうか」

明日の天気を気にしつつ、帰港した。