開進丸
9月9日 ヒットしても良いんだけど…
朝日が、水平線に顔を出してきた頃。
「ベイト反応が凄いですよ。やってみませんか」
塩田さんと右田さんが直ぐに竿を出して、反応の出ているベイト目掛けてジグを落としていく。
「何か来た」
塩田さんにアタリが来た。
良型の真鰺だった。
右田さんにもヒット。
上がってきたのは、中型の鯖だった。
しかし、魚探には凄い反応が出ているのに、後が続かない。
「こんだけベイトが居れば、もっとヒットしても良いと思うんだけど…」
思うようにアタリが出ない。
同じ処を流し続けても、アタリは遠のくばかりなので、ポイントを移動する。
すると、右田さんに直ぐにアタリが来た。
上がってきたのは、1キロ超のハガツオ。
この時期のハガツオは、型が良くなって走りも力強い。
今度は、塩田さんにアタリが来た。
上がってきたのは、アカヤガラ。
刺身が美味しい魚なので、クーラーに納める。
この後、満潮の潮止まりと重なって、アタリが出なくなった。
この時、いつも迷うのが「このまま此処で粘るか、他に移動するか」
今回は、移動することを選んだ。
暫く船を、南に向けて走らせる。
ポイントについて、直ぐに仕掛けを落としていくが…。
「潮が二枚潮になっている」
上が北に、下が南に向かって、真逆に流れているようだ。
しかも、上潮の流れの速さは、0.3ノット前後と殆ど動かない。
塩田さんに、鯖がヒットしたのみで時間が流れていく。
「ヒットしても、良いと思うんだけどな…」
ここでも、こんな感想を持ってしまう。
「元に戻りましょう」
普段は余りしないことだが、自分の感を信じて、移動前のポイントに戻ってみた。
「こっちの方が、やはりベイトは居ますね」
立ち上がっているベイト柱を見つけて、仕掛けを落としていく。
塩田さんにアタリが来た。
針掛かりした獲物が、強い引きを見せている。
上がってきたのは、1キロ超のハガツオ。
「良かった。美味しいハガツオが食べられる」と、塩田さんもホッとした笑顔だ。
塩田さんに、続けてアタリが来た。
今度のハガツオは、先に釣れたハガツオよりも一回り大きい。
「2キロ近くありそうですね」と、笑顔だ。
右田さんにも、アタリが来た。
「巻き上げる途中で来た」
「当たるタナが浅いやろ」
塩田さんと、ヒットポイントの確認。
良型のハガツオが連発してきた。
ベイトを探して、仕掛けを落としていくと、色々なヒットパターンでハガツオが当たってくる。
ホール中だったり、仕掛けの回収中だったり、普段通りしゃくり上げの途中だったりと楽しい時間だ。
船を戻して、違うコースを流してみる。
又しても、右田さんにアタリが来た。
これも2キロは有りそう良型のハガツオだ。
しかし、下り潮の流れが徐々に速くなってきた。
仕掛け自体も流され、着底も取りにくくなってきた。
何カ所がポイントを探ってみたが、アタリが出なくなってきた。
「今日は、引き上げますか」
昼過ぎに、帰港した。












































