8月26日 取りたいな!

水平線に雲が無い。

上がってくるお日様が凄く綺麗だ。

「今日は、発見されますように」と、昨日からの行方不明者の無事を祈る。

今日の釣りは、スタートは「今日はボーズかもしれない…」と、覚悟するほどだった。

沖に出れば潮が2ノット近くで流れ、潟に寄れば潮がほとんど動かない。

沖には、ベイトは寄り集まっているが、潟には殆どいない状況。

暫くは、潟近くを流していたが「思い切って沖に行きましょう」と、船を進める。

流れが速くとも、着底が3回取れれば何とかなる。

ある意味、開き直ってポイントを攻めることにした。

「このポイントは、古い魚礁があります」と、説明して竿を出す。

塩田さんと、右田さんがジグを落としていく。

一流し目はアタリなし。

二流し目にはいると、海底に小さいながらもベイト柱が立ち始めた。

「ベイトが漸く出てきました」

そうお二人に伝えた時、塩田さんに強烈なアタリが来た。

塩田さんの、身体ごと海中に引っ張り込む様な、大当たり。

ドラッグ音が鳴り響く。

船で追い掛け、少しでもラインを回収するが、相手の突っ込みはもの凄い。

ギューンと、竿が海中に突っ込んだ時、ラインが切れた。

ラインが、魚礁に触れたようだ。

気を取り直し、仕掛けを作り直す。

塩田さんに、又してもアタリが来た。

「此くらいの引きなら、問題ないですね」

上がってきたのは、2キロクラスの真鯛。

「久し振りに真鯛が来た」と、嬉しそうだ。

「潮が少し緩くなってきたみたい」と右田さん。

「じゃ、ポイントを移動しましょう」

船を北に向かって走らせる。

すると、海底にもの凄いベイト反応が出てきた。

右田さんにアタリが来た。

塩田さんにもアタリが来た。

ダブルヒットだ。

魚の引きを楽しむように、右田さんがゆっくりと上げていく。

塩田さんの獲物は、船縁に来て真下に突っ込んでいる。

上がってきたのは、右田さんがヤズ、塩田さんがハガツオだった。

ここから、船を流し直す度にアタリが来た。

塩田さんに、又してもハガツオがヒット。

又してもダブルヒットだ。

しかし、右田さんにヒットしてきたのが、これまた大物。

一旦は、ラインを巻き上げ可成り上まで引き上げてきたが、そこから反転。

その反転してからの走りが、強烈すぎる。

ギュギュ、ギュギュと何回もラインが引き出される。

ラインの出るのを親指で押さえて、調整しようと右田さんが粘りを発揮するが、獲物の走りは止まらない。

最後は、瀬際を走られて、ラインが切られてしまった。

この時、ラインが相当傷つけられたみたいで、直ぐ後に来たアタリは簡単に切られてしまった。

塩田さんも右田さんも、とんでもない“大物”にやられてしまった。

「今度は、ラインをワンランク太くしてくる」

と、リベンジの炎が燃え上がる。

10時30分過ぎから、納竿までの2時間は、取ったり取られたりと大忙しだった。