8月25日 色々あった日
子供さんと、夏休みの思い出作り。

古賀さん親子、長代さんにとって、西風に翻弄された1日だった。

港を出るときに、港内で風波が立ち始めていた。

「何で、こんな朝早くから…」と、思ったが一時的な風だろうと余り気にとめなかった。

しかし、ポイントに入ると、西風がまともに吹き付けてくる。

西風で船が流れる速さが、早くなるくらいだ。

当然、風波もあって船が揺れる。

古賀さんの可愛い娘さんの水月ちゃんが、船酔いを起こしダウン。

頼もしい息子さんの健志郎君も、ダウン気味。

風の吹き付け具合を見て、ポイントを島影に移動したり表に出たり。

元気を取り戻した健志郎君にアタリが来た。

50センチクラスの、シーラが上がってきた。

少しでも釣りの楽しさを味わってもらえた様で、ホッとした。

船首で、竿を出されていた長代さんにもアタリが来た。

これも、50センチクラスのシーラだった。

針を外して、血抜きをしていると、長代さんに続け手当たりが来た。

上がってきたのは、ハガツオ。

健志郎君にもアタリが来たが、何か様子が変だ。

「どうしたの?」

「仕掛けを落としたら、途中で止まって、何かが来たような気がした」

船から少し離れたところで、大きなシーラがジャンプした。

ホール中にシーラがヒットしたが、走りが速くてリーダーが切られたしまった。

「又来ますよ」と言ったが、西風が強くなり白波も立ち始めた。

この時、船仲間の汐元さんから電話が来た。

「綾乃を見なかった?」

「いえ、この近くには来ていませんよ」

綾乃は、船の名前。

昨日の夕方に夜釣りに出たまま、港に帰ってきていないとのことだった。

強くなった西風を避ける為、ポイントを変える。

一機のヘリコプターが大節アタリに飛んできて、何かを探している。

汐元さんに電話すると「捜索願を出した」との返事だった。

不安な気持ちでいると、雨雲も広がり始めていた。

水月ちゃんの船酔いも気になっていたし、少し早いが帰港することにした。

長代さんも、古賀さんも快く了解して頂いた。

気になるのは、綾乃の行方。

港に帰ってきてからも、汐元さんや船仲間に連絡。

捜索に出た仲間もいる。

無事であることを祈りたい。