開進丸
8月22日 風、波に大苦戦
水島の沖合のポイントに入ってみた。
「思った以上に波があるね。風も強いしね」
水色は青々として、上り潮が流れている。
仕掛けを落として、ちょっとビックリ。
「2ノット以上の速さで流れている」
こんなに速い潮は、久し振りだ。
水深80メートルの、割りかし近場でこの速さだ。
「ポイントを浅場に変えよう」
大きな沈み瀬の、潮下側に移動すると、潮の流れがかなり押さえられている。
「ここなら1ノット前後だし、釣りやすいと思う」
「ベイトはいますか」
「ベイトはいるよ」
私の従兄弟の信司と可愛い息子の理仁くんが、直ぐに釣り開始。
信司に直ぐにアタリが来るが、針掛かりまでに行かない。
2度目のアタリも、なかなか針掛かりしない。
「今日は厳しいね」
南東の風が徐々に強くなり、時折、大きなウネリが寄せてくる。
ただ、潮の流れは、少し緩くなり始めた。
「もう一度、沖のポイントに入ってみようか」
船を移動する。
すると、一流し目に信司に大当たり。
海底をジジーッ、ジジーッと力強く逃げていく。
「船で追いかけるから、我慢していろよ」
「ラインの出方が早くなった」
エンジンを掛け、追いかける体制を取ろうとした時、ラインが切れた。
その後は、暫くアタリが出なくなった。
「信司、ポイントを思い切って変えようか」
「そうですね。気分転換しましょう」
南東からのウネリは寄せてきているが、船を北東方向に走らせる。
時折「ホウーッ」と、信司が声を上げるようなウネリが来る。
「ラスト勝負と行くか」
海底にはベイトが柱状にたっている。
直ぐに信司にアタリ。
イトヨリダイが上がってきた。
「ようやく釣果が出たね」
直ぐにジグを落としていく。
傍で見ていると、いきなり竿が引ったくられるようなアタリが来た。
上がってきたのは、1キロクラスのカンパチ。
「良かった。カンパチが来た」
連続して、アタリが来たのにはホッとした。
しかし、高いウネリにこれ以上は無理できないと、帰港することにした。
「理仁君、帰ろうか」
笑顔の理仁君と、冷たいジュースを飲みながら帰港した。