8月11日 海の状況が上向き…かな
「今日は、沖にでる前にタチウオを少しやってみませんか」

沖波止内側のタチウオが、去年の今頃から少しずつ出始めていた事を思い出していた。

塩田さんとBさんに、勧めてみた。

夜明け前の暗い中、港内をゆっくりと走りポイントに入る。

他の船はいない。

釣り始めて30分位した頃、東の空が明るくなり始めた。

「来た!」

Bさんの竿にアタリが来た。

体高と厚みのある、指5本近くあるタチウオだ。

その後は、カマスが連発。

「そろそろ、移動しますか」

少しでも、潮が良くなっている事を願って、沖のポイントを目指す。

沖合にでると、風が南東になっていた。

南東の風によって少しうねりがあり、船が揺れる。

潮の状況は、昨日までの濁りが全く無く、綺麗な青い潮に変わっていた。

「これは、少しは期待できるかも…」と、期待感が膨らむ。

そんな中、塩田さんにアタリが来た。

小型だが、嬉しい真鯛だった。

この真鯛が来る前に、中型の鯖が連発してきた。

「濁りがとれて、活性が上がってきたかな」

沖合には、カツオ鳥の鳥山ができている。

「行きますよ!」

大急ぎで、船を走らせ鳥山に近づく。

所々で水しぶきが上がる。

「シーラだ!」

魚を確認した、塩田さんが直ぐにキャストするがなかなか食いつかない。

暫くすると、シーラの姿が見えなくなった。

竿をキャスティングから、ジギングに持ち替える。

直ぐに、お二人に鯖が連発し始めた。

鯖が連発する中、Bさんに強いアタリが来た。

最初の強烈な走りを交わして、海面に浮かしたのは見事な真鯛。

62センチ、2.5キロの雄の真鯛だった。

「やったね。この真鯛が来て、嬉しいですね」

昨日までの最悪の状態を、何とか抜け出せた気がした。

鯖は相変わらず連発してくる。

今度は、塩田さんに強いアタリが来た。

初卸しのリールが、しっかりと働いている。

上がってきたのは、1.5キロクラスの良型白甘鯛。

「やった。嬉しい」塩田さんの笑顔が私も嬉しい。

潮の様子が昨日まの濁りが、嘘のように取れている。

沖からの綺麗な潮が入り、ゆっくりと上り潮が動き始めている。

Bさんには、青物かと思わせるような大当たりも来た。

「おおっ、突っ込む!」

竿先が海面に突き刺さり、ラインが引き出される。

ラインのでを調整しながら、何とか浮かしにかかるが、相手も強い。

「あっ、…」

Bさんの叫び声がしたのと同時に、リーダーが切られた。

巻き上げてみると、リーダーがザラザラしていた。

「瀬に触れたみたいですね…」

悔しいが、逃げられたモノは仕方ない。

「次、取り返そう」

時折、氷水を被りながら、暑さとも戦い続けた。

「この氷水が気持ち良い」

ズボンのポケットにも氷を入れて、太股の熱を取る。

新しい暑さ対策かも。

台風後に久しぶりに、釣りを楽しめた気持ちになった。

「明日からも、この潮が続きますように」

海に手を合わせて、帰港した。