開進丸
8月1日 釣れたよ!
「何しょって。釣れたよ」
朝10時過ぎ、船仲間の大磯先輩から電話が来た。
台風5号の影響で、沖は時化ているはずと思って、イタズラ電話かと思った。
「沖は諦めて、内場に行ってきた」
「内場なら、波は無かったでしょう」
「うん。凪でアカジュウが来たよ」
アカジュウとは、バラハタのこと。
魚の名前は、各地で呼び方が変わる。
日南では、バラハタの呼び名は「アカジュウ」と、呼んでいる。
「今から、港に帰る。ぬきしてたまらん」
「じゃ、今から船着き場に行きますね」
湾岸道路を通って、海の様子を見てから、船着き場に行った。
沖は、東風がやや強く吹いており、波立ち始めていた。
「明日から、暫くは出られんな」
船着き場に行くと、船仲間の漁師さんの汐元さんも、私の後からやって来た。
大磯先輩の船は既に帰ってきており、荷物を船から降ろしている最中だった。
汐元さんは「船出して見ようかと思ったけど、東風が吹き出しているね」
と、やはり海の様子を見に行っていたとの事だった。
「クーラー見て良いですか」
汐元さんと一緒に、大磯先輩の釣果を拝見。
「このバラハタは、2キロは有るちゃねかな」
「今は魚が少ないから、良い値がすっかもよ」
「もしかしたら、キロ2000円以上するかもね」
「写真撮りましょうよ」
「ブログに乗せて良いど」
バラハタを持って、記念の釣果写真をパチリ。
「3匹、手に持ってみろかい」
「じゃーな。3匹持って、写真撮ってブログに乗せようや」
「徳島さんにも、連絡しちょくわ」
仕事で、日南を離れている船仲間の徳島さんも、私のブログを見てくれているはず。
「ビックリするやろうな」と、3人で笑顔になる。
船着き場で、暫く大磯先輩の釣り話しを、汐元さんと一緒に聞いていた。
「行けたら、明日も行くど。そして、早よー帰ってくっや」
「じゃーな。朝間詰めだけ行きますか」
「私も、行ってみようかな。鯖も型が良いし楽しみがあるな」と、汐元さんの気持ちも前向きだ。
頑張る人には、釣果が付いてくる。
台風5号の動きも気になる。
「どっちに動くか、ハッキリせんもんな」
何人かの仲間達は、船を上流に移動している。
3日頃には、台風の動きがハッキリしてくるだろう。