7月8日 雷に注意して
出船前に、お客様の東さん、植田さんと3人で悩んだ。

「出ることは出来ます。でも、雨雲と雷が西から寄せています」

「どうしましょう」

「稲光がしたら、直ぐに帰ってきましょうか」

と、言う事でポイントを目指して船着き場を離れる。

海上は予報どおり、西風が吹いている。

波は大してないが、ウネリは南から寄せている。

何カ所かのポイントを見ながら、船を流す位置を決める。

「此処のベイトは、良い感じです」

魚探に反応の出ている、ベイトの上に船を止める。

潮は青い色をして良い感じ。

「下り潮が沖には出ています。やってみましょう」

2流し目に、東さんにアタリが来た。

海面近くに来て、縦横に走り回る。

「鯖ですね」

丸々とした、ゴマ鯖が上がってきた。

鯖を外して仕掛けを投入すると、又しても東さんにアタリ。

鯖とは違う、小気味よい引きの様だ。

上がってきたのは、良型のイサキ。

「良型のイサキですね」

「良かったです」と、笑顔だ。

この後、東さんと植田さんにゴマ鯖がヒット。

先日までは、良型の真鰺がヒットしていたのだが、今日は鯖が多い。

鰺が鯖に入れ替わったのだろうか。

しかし、いずれも丸々として、元気の良い鯖だ。

船を戻して暫くすると、東さんと植田さんに同時にアタリが来た。

走りはしないが、重々しい感じ。

上がってきたのは、お二人共にウッカリカサゴ。

今から調子が上がってくるぞ、と思っていると“ゴロゴロ”と、遠くで雷鳴が聞こえる。

「余り長くは、やれないかも知れませんね」

雷を気にしながら、船を戻す。

「流すコースを北側に移動しました」

すると、東さんにアタリが来た。

竿先を叩くアタリ。

ドラッグ音も鳴り、ラインが引き出されるアタリ。

「真鯛みたいですね」

海面に、綺麗な真鯛が浮いてきた。

58センチ、2.5キロの綺麗な雌の真鯛だ。

悪天候の中での真鯛だけに、私も嬉しい。

植田さんも「良い真鯛ですね」と、祝福。

その植田さんに、強いアタリが来た。

「巻き上げようと、早巻きしたら来ました」

小気味よい引きを見せている。

良型のイサキが、上がってきた。

「磯で釣るイサキと、違う引きに感じました」と、嬉しそうだ。

「次行こうか」と、船を戻し掛けたとき、西の空に稲妻が横に走った。

「光ったね」

「そうですね。走りましたね」

「申し訳ないが、安全優先で今日は帰りましょう」

海上での雷は、怖い。

東さんも、植田さんも直ぐに了解して貰った。

近くにいた仲間の船にも、帰ることを連絡。

港に帰ると、船着き場の上空では、雷がゴロゴロと鳴り響いていた。