開進丸
6月18日 良い日も有れば、悪い日もある…かな
「此処のポイントは、久し振りに入るポイントです」
「ベイトは、沢山反応が出ていますね」
ベイトが海底から10メートル以上の高さで、反応が出ている。
湯地さんが、直ぐに釣り開始。
しかし、なかなかアタリが出ない。
時折、鯖子や20センチ程度の鰺は、ヒットしてくる。
潮は、下り潮が沖に払い出している。
私も、下潮の状況を知りたくて、竿を出す。
すると、私に何やら大物がヒットしてきた。
リールからラインが引き出される。
ドラッグを緩めに調整していたので、少し締めて魚の走りに対応する。
ドラッグ音が鳴り、ラインが出ていく。
すると、突然「パチッ」と音がした。
PE2号が高切れした。
「ラインに傷が入っていたかな…」
口惜しい重いだけが、手元に残った。
その後は、鯖子が針かがりする様になり、ポイントを移動する。
北方向に移動する途中から、北東の風が吹き始めた。
白波が立つ程ではないが、最近は北東の風が強くなる傾向がある。
「風が変わりましたね。気をつけますね」
湯地さんにアタリが来た。
強い引きを見せていたが、上がってきたのはオジサン(ウミゴイ)だった。
続けてアタリが来た。
「まずまずの引きですね」
ゆっくりと魚の引きを楽しみながら、ラインを巻き上げていく。
上がってきたのは、40センチ超の良型の真鰺。
「私は、鰺の刺身が好きなんです」と、笑顔だ。
しかし、この後は、又してもアタリが遠くなってきた。
「何か触るときもあるんですけどね。渋いですね」
「ガツンと来れば良いのですけどね」
「そうですね」
時折、竿を曲げるのは、やはりオジサンだった。
「ポイントを変えましょう」
今度は、南東方向に船を走らせる。
瀬ではなく、ベイトが立ち上がっているところを探す。
「ここは、ベイトが立ち上がっています」
湯地さんが、直ぐに竿を出す。
何かがヒットした様だ。
「鯛みたいな引きをしています」
竿先を叩き、時折ドラッグ音がなる。
「良い真鯛が来たようですね」
期待してみていると、上がってきたのはニベだった。
「えっ、真鯛かと思いました」
期待した魚と違ったことに、ちょっと肩の力が抜ける。
「ニベは、白身で刺身で食べても、美味しいと言う人が増えていますよ」
「友達に持っていってやります」
と、ニベの配分に話が弾む。
しかし、この後はアタリが遠のき、真鯛は出なかった。
「良い日も有れば、悪い日もあります」
「また、頑張りましょう」
ちょっと、寂しい気持ちを残して帰港した。