6月9日 私の未知のポイントへ
「今なら行けるかもね」

「行ってみようか」

私にとって、以前から座標だけ分かっていた“未知のポイント”。

北東からのウネリが少々有るが、風は西風が吹いている。

「風が変わる前に行ってみようか」

脇坂さんと新しいポイントを目指して、船を走らせる。

潮は目視では、青い良い潮に見える。

ポイントに到着し、まずは入力したポイントを一周して海底の変化を探す。

大きなタンカーが、直ぐ傍を通っていく。

「目立つ様な盛り上がりや、窪みは見つからないね。初めてだし、探し方が足りないみたいね」

魚探と睨めっこしながら操船するが、なかなか見つけられない。

「兎に角、やってみようか」

脇坂さんが、竿を出す。

「私は、暫く魚探を見ているね」

時折、海底から10メートルくらい上に、ベイトの群れが現れる。

潮は、下り潮。

しかし、流れる速さは0.4ノット前後と、動きはイマイチの様だ。

「何か来た」

脇坂さんに、アタリが来た。

「小さい。全然引きがない」

上がってきたのは、レンコダイ。

「底は、砂地か泥地のような感じですね。白甘鯛が来ないかな」

私も、一緒に竿を出してみるが、やはり砂地か泥地のような感触を受ける。

「また、何か来た」

上がってきたのは、塩焼きサイズのレンコダイ。

この後にも、レンコダイがヒットしてきた。

「今日の潮は、レンコダイの潮かな…」

船を少しは知らせて、別のポイントに入ってみる。

ここでも、レンコダイがヒット。

私の鯛ラバに、ヒットしてきた。

此処に来て、潮の動きが益々悪くなり、仕掛けが真っ直ぐ真下に落ちていく。

「どうも、潮の動きが良くないね」

もう一カ所のポイントに移動してみる。

合計3カ所。

「此処が、一番深いよ」

東方向に、船を走らせる。

ここでも、ヒットしてきたのはレンコダイ。

特徴的な海底の変化を、充分に見つけきれなかった。

天気を見て、改めて調査に来る必要がありそうだ。

魚探は見える範囲が狭い分、何度か来ないとハッキリとした調査には成らない。

「戻って、瀬の駆け上がりアタリを攻めてみようか」

船を潟方向に走らせる。

暫く走って、大きな沈み瀬回りから攻めてみる。

いきなり、脇坂さんにアタリが来た。

上がってきたのは、良型のイトヨリ鯛。

私にも、アタリが来た。

上がってきたのは、良型のオジサン(ウミゴイ)。

「活性が低いね」

この頃から、風が西から南西、そして南東へと変わってきた。

段々と、南東の風が強くなってきた。

「波が高くなってきたね」

「帰りましょうか」

昼過ぎ、釣りを切り上げ帰港した。