5月31日 何か変ですね
朝は、昨日の昼からの大時化が、出港に影響した。

「海は凪になっていますね」

「何とか出られそうですね。でも、風が南東に変わったら無理は止めましょう」

ところが、港を出ると沖はべた凪に近い状態。

すこし、南東からのウネリが寄せてくるが、気になるほどではない。

船のスピードを上げて、ポイントへ急ぐ。

「海の色が、青くて気持ちいいですね」

「良い感じの潮が入っています」

ポイントに着くと、ベイトを確認する。

昨日の感じからすると、ベイトが少ない気がする。

「満潮の潮止まりまでまだ時間は有りますが、ベイトが思ったよりも少ないですね」

潮は、0.7ノットくらいで北東に流れる上り潮。

温水さんが、直ぐに竿を出して釣り開始。

「以外と、ジグが流されますね」

「着底は、取れますか」

「大丈夫です。取れます」

2流し目に入り、最初のヒット。

小型のウッカリカサゴだった。

「これは、放流しますね」

カサゴを海に帰す。

「大きくなって来いよ」

暫くして、温水さんにアタリが来た。

「これは、まずまずの引きかな」

獲物の引きを楽しみながら、ゆっくりと巻き上げる。

「あっ、イサキだ」

「これは、嬉しいですね」

良型のイサキが上がってきた。

「イサキは群れていますから、次も来て欲しいですね」

しかし、その後はなかなかアタリが続かない。

ポイントを変えて、瀬回りや駆け上がり部等々を攻めてみるが、思う様なアタリが来ない。

「何か、変ですね」

「下潮が、抜けるところがあって、もう少し上にも、同じような抜ける場所がありますね」

「潮が、3枚潮になっているような、感覚が有ります」

満潮も過ぎて、引き潮が動いているはずの時間帯なのだが…。

「魚探の反応も、昨日までのベイトの反応と違う気がします」

昨日までは無かった、魚探の画面が真っ青になって、ベイトが出てこない。

「ポイントを移動します」

沖に出たり、潟に寄せてみたり、砂地の多いポイントに走ってみたりするが、なかなか思う様なベイトに当たらない。

「出てくるベイトが、底べったりで浮いていませんね」

そんな苦しい状況の中でも、温水さんは粘りを発揮して、ジグをシャクリ続けている。

そんな温水さんに、アタリが来た。

「重いだけですね。多分、根魚ですね」

上がってきたのは、ウッカリカサゴ。

「これくらいの大きさなら、何とか刺身は取れそうですね」

「身は刺身にして、骨は味噌汁が良いですね」

悪状況の中での1枚だけに、本命ではないがちょっぴり嬉しい。

この後、段々と南東の風が強くなって来た事もあり、用心のため帰港した。