開進丸
5月28日 久し鰤だね。
空は快晴、海は穏やか。
釣りを楽しむには、最高の釣り日和となった。
湯地さんと久松さんを乗せて、今日のポイントを目指す。
行き先を何処にするか、出船前には少し悩んだが、久し振りに油津沖に出てみた。
ポイントでは、少し北西の風が強い気がするが、釣りに支障になるほどではない。
船は、北西の風に押されて、ゆっくりと沖に流されていく。
潮は、やや下り気味の潮が、0.6ノット前後で流れている。
魚探でベイトを確認すると、一カ所にベイトの固まりが出ている。
其処を中心に、船を流していく。
すると、湯地さんにアタリが来た。
上がってきたのは、良型の真鰺。
最初の一匹が上がると、気持ちがホッとする。
久松さんにも、本日最初のアタリが来た。
上がってきたのは、丸々としたエソだった。
「次には、真鯛が来るよ」と、ファイトが膨らんでくる。
二流し目に入り、ベイトの上を通ったとき、湯地さんにアタリが来た。
竿先を小刻みに叩く、鯛独特のアタリだ。
上がってきたのは、真鯛。
「小さいですね」と、照れくさそうな笑顔。
「最初の鯛ですから、写真撮りましょう」と、お願いしてシャッターを押す。
この後、満潮の潮止まりになった事もあり、ポイントを移動する。
「ここは、沈み瀬が連続している場所です。今のところベイトは少ないですが、潮が動き出せば出てくると思います」
満潮の潮止まりでもあり、潮の動きが0.3ノット前後に落ちている。
「困ったな…」
すると、それまで止まっていた風が、北東方向から吹き始めた。
船が、ゆっくりと南西方向に流されていく。
やや潟寄りの流れになるが、大小の沈み瀬を渡って行くには、良い流れになっている。
湯地さんにアタリが来た。
良型のウッカリカサゴ。
久松さんにも、アタリが来た。
こちらは、良型のアヤメカサゴ。
「カサゴは、美味しいですよね」と、笑顔がでる。
この後、お二人にアカヤガラ、ガンゾウヒラメ、カサゴ類と色々なアタリが続く。
色々な魚種のアタリが続く事で、船上は賑やかになっていく。
その賑やかさの中、湯地さんに今までと違う、強いアタリが来た。
「ホール中に当たってきました」
ドラッグ音が響き、ラインがドンドンでていく。
「船で追いかけますか」
「いや、まだ大丈夫です」
「鮫かも知れないよ」と、久松さんが笑顔で湯地さんをからかっている。
「大丈夫。正体が見たいからゆっくりやるよ」と、湯地さんも笑顔で返している。
お二人の会話が、これまた楽しい。
湯地さんの獲物は、船の真下に強烈に突っ込みを見せて、船首の方に走っている。
「船首部に行ってください」
私は、いつでもタモが出せる状態で待機する。
「見えた。白く光っている」
「何だろう」
「又見えた。鰤です」
鯛ラバの仕掛けに来ているだけに、緊張感が一気に増した。
鰤が船底から出てきたときを見計らって、一発でタモ入れする。
「よっしゃー、取った!」
7キロの見事な鰤だ。
「やったですね。嬉しいですね」
湯地さんの笑顔が、輝いている。
私にとっても、久し振りの鰤だ。
「今年は、青物が不調やったからですね。とっても、嬉しいです」
湯地さんと、思わず握手した。
気持ちを落ち着かせて、釣り再会。
船を戻して、潟方向に流していると、又しても湯地さんにアタリが来た。
良型の白甘鯛が上がってきた。
「おおっ、白甘鯛が来た。これは、嬉しいですね」
鰤に続いて白甘鯛、湯地さんの笑顔が益々輝く。
それに負けじと、久松さんもイトヨリ鯛を連発した後、今までと違うアタリを捕らえた。
「竿先を叩きますね。真鯛ですね」
久松さんの、笑みがこぼれる。
上がってきたのは、食べ頃の良型真鯛。
「真鯛が釣れて、今日はホッとしました」
この後も、イトヨリ鯛等のアタリが続く。
「今日は、これで帰りましょうか」
お二人のクーラーに、満足の釣果を納めて帰港した。