開進丸
4月28日 釣果を求めて
海に出来る「光の道」と、洒落た事でも言いたいのだが、海に出られた事がまず嬉しい。
「良い色してますね」
「そうですね。潮の色は良いですね」
古田さんと潮の色を見ながら、今日最初のポイントを目指す。
ポイント周辺には、沢山のベイト柱やベイトボールがある。
「今日は、良い感じかも知れませんね」
古田さんが、魚探に映し出されるベイトを目掛けてジグを落としていく。
「着底は、取れますか」
「2回、良くて3回が限度ですかね」
下潮が速い様だ。
上は0.6~1.0ノット位なのだが、下り潮。
下はそれより速い、上り潮になっているようだ。
そんな状況の中でも、バイトは出る。
「あっ、掛からんかった」
じれったい時間が過ぎていく。
「ポイントを変えましょうか」
ポイントを移動すると、今度は潮が動いておらず、仕掛けが真下に落ちていく。
そんな中で、古田さんに今日、最初のヒット。
「小さいけど、美味しい魚ですね」
朝の内吹いていた北西の風も止まって、少し暑くなってきた。
古田さんに、続けてアタリが来た。
「おっ、来た。何か来た」
上がってきたのは、良型のイサキ。
「良い型のイサキですね。まだ、群れが居るかも知れませんね」
潮の様子を知りたくて、竿を出していた私には35センチクラスの鰺が来た。
しかし、後が続かない。
気が付くと、漁船の延縄の仕掛け?が船の近くに流れてきている。
「チョット沖のポイントに行ってみましょうか」
沖合のポイントに移動しようと、走り出す。
「あれっ、風が北東に変わったね」
向かうポイント付近には、北東の風に煽られて白波が立ち始めている。
船を一旦止めて「風が出てきましたね。違うポイントに行きますか」
「そうですね。風で白波も出てますし、無理は止めましょう」
と、古田さんも同意して頂いた。
古い魚礁が残っているポイントに、船首を向ける。
ここでも、釣果を求めて粘り強く釣りを続けるが、なかなか思うアタリが出ない。
仕掛けをジグやテンヤに変えて、古田さんが粘りを発揮する。
それに呼応する様に、アタリが来た。
上がってきたのは、イトヨリ鯛。
次にヒットしたのは、良型のウッカリカサゴ。
潮の状況は、朝から変わらず下潮が速い二枚潮。
ジグの重さを色々と替えて、アタリを探る。
「おっ、何か来ました」
「引きはどんな感じですか」
「強くはないけど、引きは楽しめますね」
ゆっくりと、巻き上げると魚の姿が見えた。
「レンコだ」
良型のレンコ鯛が上がってきた。
「種類は色々と上がるけど、本命が来ませんね」
丁度、干潮の潮止まりでもあったので、再度ポイントを移動する。
しかし、今度は南東の風が吹き始めた。
「天気予報は、西の風となっていたけど、違ってきましたね」
殆ど休むことなく、粘り続けた古田さんだが
「今日は諦めて帰りますか」
と、次回に期待する事になった。