開進丸
2月25日 午前も午後も…苦戦
最近は潮が動かないで、苦戦することが多くなっている。
昨日もそうだったが、今日は午前も午後も動かない潮と、エソの猛攻に苦戦した。
しかし、緊張感溢れる場面も、待っていた。
岐阜県から来られている織部さんと、作本さんを乗せてポイントを目指す。
織部さんは、岐阜県から来られているが、長崎や四国など色々なところに釣りに行かれるとの話だった。
「今日は、スロージグをやってみたいと思っています」
ポイントに入ると、北西の風がやや強く吹いているが、船はゆっくりと北東に流れる上りの吐き出し潮。
ベイトも、海底に固まるように、集まっている。
作本さんにアタリが来た。
朝一番のアタリを楽しむように、巻き上げていく。
上がってきたのは、大きなエソのダブル。
「エソをダブルで初めて釣った」と、チョットがっくり…。
まさか、これが今日一日中の苦戦の始まりとは、知る由もない。
次のヒットも、又次のヒットもエソが上がってくる。
「エソしか居ない」
嫌な感じになる前に、ポイントを移動する。
「チョット走ります」
北に向けて、船を走らせベイトの居るポイントを探す。
魚探に立ち上がったベイトを見つけ、直ぐに仕掛けを落としていくが、今度は潮が動かない。
30分経過しても、船の位置は殆ど動いていない。
「これは、ダメですね。潮が動いていません。移動しましょう」
今度は、南東方向に船を走らせる。
それまで吹いていた、北西の風も止まり、潮も動かなくなった。
そんな中で、ベイト柱が何本も立っているポイントがあった。
「此処なら、何とかなるかも…」
願いを込めて、釣りを再開。
作本さんにアタリが来た。
上がってきたのは、ホウボウ。
「ホウボウの刺身は美味しいですよ」と、笑顔ではあるが、チョット寂しい気がする。
織部さんにアタリが来たが、又してもエソ。
「スロージグに、何かが触るのですけど、勘違いですかね」
ベイト柱の中にジグが入ると、何かがバイトしてくるようだ。
「多分。魚がじゃれついて居るのだと思います」
すると、織部さんの竿にアタリが来て、竿が大きく曲がった。
しかし、上がってきたのは又しても、エソのダブルヒット。
「今日は、何処に行ってもエソばかりですね…」
「口惜しいですね…」
エソの連発に悩んだ午前の部だが「織部さん、明日又頑張りましょう」と、元気を絞り出す。
昼過ぎに釣りを終えて港に帰ると、午後の部の関屋さんと服部さん、服部さんの娘さんの衣千乃ちゃんが待っていた。
午後からは、大島東沖のポイントに入る。
昼近くに風が止んで「凪になってきたかな」と思っていたが、此処に来て南風がやや強く吹いている。
「風が南になってますね」
最初のポイントにはいるが、南風に押されるように船は北西方向に流されていく。
潮の流れとしては、ほぼ真北に行っていると思うのだが、潮の流れが弱いのだろう。
関屋さん、服部さん、衣千乃ちゃんが頑張って竿を出すが、バイトが来ない。
暫くすると「アタリが来ていたね」と、服部さんの声がした。
風が強いせいか、衣千乃ちゃんがアタリに気づかなかったようだ。
「何か掛かったような気がしたけど、良く分からなかった」と、照れ笑いが可愛い。
服部さん親子の、仲の良い釣り姿が微笑ましい。
沖のポイントは南風が強くなるに従って、アタリが分かりにくくなってきた。
「潟近くに移動しましょうか」
大島近くのポイントに移動する。
すると、大きなベイトボールが何個も連なった様子が、魚探に現れた。
「良い感じのベイトです。良いですよ」
関屋さん、服部さん達が直ぐにジグを落としていく。
魚探には、ベイトボールが映し出されている。
「来た!」
関屋さんが、大きなアタリを捕らえた。
ジジッージジッーと、ラインが強烈に引き出される。
竿を持つ手に力を込めて、走りを耐える。
獲物は、真下に強烈に突っ込んでいく。
時折、竿が海面ら突き刺さるる様に、獲物の走りは強烈だ。
「瀬が荒いですよ。何とか頑張って浮かしてください」
声援を送る。
「あっ、瀬に入ったみたい。瀬際を走られる!」
次の瞬間、「あっ…」リーダーが切られた。
切られたリーダーは、ザラザラしている。
「引き上げられんかった…。口惜しい…」
服部さんも、傍らで残念そうだ。
その直ぐ後、衣千乃ちゃんがアタリを捕らえたが、一瞬ドラッグ音が響いて直ぐに針が外れた。
「今日は、口惜しい思いが続きますね」
午前も午後も、本当に口惜しい思い乃連続だ。
「今日は、南風も強くなってきたし、何処に行ってもエソの連続だし、諦めて帰りますか」
午後5時30分過ぎに午後の釣りを終了した。