おもだかの釣り
秋の例大祭の準備に刻一刻と近づくその日、目覚めてすぐに窓の外を仰げば、透き通るような青空が広がっていた。
私は満ち足りた心持ちで小型自動車へと乗り込み、静寂に包まれた朝の空気を肺いっぱいに吸い込みながら釣り場へと向かった。
水面を前にすると、息づく自然の息吹が全身に染み渡り、この一瞬のために研ぎ澄まされた呼吸が、静かに調和していくのを感じる。
三度目の投錨で柔らかな竿先がたわみ、確かな手応えが手中に宿る。十余分に及ぶ駆け引きの後、姿を現したのは豊かな生命力を湛えた#鯰(なまず)
であった。
彼の勇姿をカメラに収めた後、私はそっと彼を解き放ち、やがて大きくなってふたたびこの地に戻ってくることを願いながら、両手を合わせて心静かに
祈った。やがて納竿の時となり、一日の始まりに深い満足とともに竿を収めた。
こうしたひとときは、単なる趣味を超え、己の精神を磨き、向上心を育む尊き時間である。
刻々と巡る季節の移ろいに身を寄せ、自然の神秘に耳を傾けながら、上昇志向を胸に新たな一歩を踏み出す。
今日もまた、#確かな成長の兆しを感じとりながら、#豊かな秋の日を静かに味わったのである。




















