開進丸
2月8日白波だらけに
朝間詰めから吹いていた、北西の風が時間経過と共に落ち着いてきた。
「このまま、風が吹かなければ良いけど」
風が弱まるのに合わせるように、沖合のポイントに移動する。
潮行きは、上り潮がゆっりと、北東に流れている。
「良い感じの潮に見えますね」
瀬周りから、少し離れたところに、反応がある。
高瀬さんに、アタリが来た。
「可成り上で来ましたよ」
タチウオが、上がってきた。
「もうすぐ、ジグが見えそうなくらい上で来ました」
海面に近いところに、ベイト反応が出ていた。
「こんなに上に、反応が出ていますね」
海底付近のベイト反応は、鰺の様だ。
「鰺が居るなら、楽しみは有りますよ」
海底付近を攻めていくと、何らかのアタリが出てくる。
しかし、なにかリズムが合わないのだろうか。
針はずれが起きる。
簑原さんにも、アタリが来た。
「来ました」
大きく竿が撓るが…。
上がってきたのは、タチウオ。
「今のアタリ具合は、違う魚みたいだったけどな」
アタリの出方と、針掛かりしてきた魚とのギャップがある様子。
エソも、活発にヒットしてくる。
昼前に風が止んで、べた凪になってきた。
「ポイントを移動しましょう」
沖合のポイントに移動する。
移動して、海面に変化に気が付いた。
「南の海面に出ているのは、白波ですよね」
やや大きな白波が立って、風が吹いているよう見える。
「あれは、風が渡って来ているようですね」
そんな話をしている先から、ウネリが出始めた。
岸方向から、さざ波と共に、白波が立ち始めてきた。
「これは、バタバタ成りますよ。今の内に、島影に入りましょう」
大急ぎ移動するが、白波のウネリが高くなってきた。
西寄りの風も、一段と強くなってきた。
「簑原さん、今日は諦めて帰りましょう」
昼になって、風が強くなってきた。