開進丸
12月26日アタリを求めて
朝の北西の風が、やや強い時間帯。
気になって居た事がある。
「流れる速さが、0.6ノット前後か…。風が止んだら、潮が流れていないかもしれない…」
塩田さんも、同じ事を気にされていた。
10時過ぎに風が止み始めて、潮の動きが悪いのがハッキリしてきた。
「仕掛けが真下に入りますね」
黒木さんも、仕掛けの入り方が気になって居る様子。
それでも、何かが黒木さんにヒットしてきた。
「鯖みたいですね」
中鯖が、上がってきた。
ベイト反応は、海底に張り付いた感じになっている。
海底付近を探っていた、黒木さんにアタリ。
最初のアタリは、真鯛を連想させる。
「引きが弱くなりました」
途中から、獲物の元気が無くなったみたい。
上がってきたのは、レンコダイ。
「良型ですね」
「お腹が大きいですね」
一寸、太ったレンコダイだ。
ポイントを移動して、アタリを探る。
移動した先では、潮の動きが益々変になっていた。
潮が少しずつしか動かなくて、北に向かったり、南に向かったり、又は、潟に向かって突っかけ気味になったりと、フラフラした動きになっている。
そんな中、仕掛けの回収時に、お二人にアタリが来た。
「早巻きの回収時に、何か来た」
ゆっくりと巻き上げると、太刀魚がヒットしていた。
鯛ラバに、太刀魚がヒット。
「ここで太刀魚が来るのか」
海底付近のベイトには、太刀魚が付いている様子。
仕掛けのホール中に、切られたりもする。
塩田さんに、明らかに太刀魚と違うアタリが来た。
上がってきたのは、スマカツオ。
「これは、嬉しいですね」
直ぐに血抜きをする。
再び、ポイントを移動した。
「今日一のベイト反応かも」
そう思うくらいに、反応が出ていた。
しかし、反応の中ではアタリが来ないで、ベイトから外れたところでアタリが来た。
塩田さんが、竿を曲げている。
「真鯛だと、嬉しいけど…」
上がってきたのは、良型のニベだった。
次の流しでも、塩田さんにアタリが来た。
上がってきたのは、ウッカリカサゴの老成魚。
「嬉しいですね。刺身がとれますね」
潮が動かずにアタリが渋い中、どうにかホッとする釣果だった。
夕方狙いで、釣り人が交代。
横山さん、金丸さんを乗せて、夕方近くの海に向かう。
「鰺が釣れたら嬉しいですね」
太陽が、かなり西に傾いている。
夕方になって、少しずつベイト反応が出始めた。
魚探に、時折、大きなベイト反応が出始めた。
「鯖の群かもしれませんね」
中型の鯖が、ヒットし始める。
その中に、鯖とは違うアタリが来る。
「鰺みたいですね」
横山さんが釣り上げた鰺は、40センチ近い良型。
「これくらいの鰺がヒットしてくると嬉しいですね」
体に元気が出てくる。
金丸さんにも、鰺がヒットしてきた。
魚探にも、海底付近に反応がある。
金丸さんに、鰺とは違うアタリが来た。
竿先をたたくアタリ。
「鰺だったら、大きいですね」
何が上がって来るか、期待を込めて待つ。
上がってきたのは、真鯛。
「小さいけれど、嬉しいですね」
夕暮れが迫ってきて、アタリが出始めた。
横山さんにも、カマスがヒット来た。
お日様が、西の山に隠れた頃、金丸さんに大アタリが来た。
何度も、ラインが引きだれる。
「青物かな。もしかしたら、鮫かな」
竿が大きく曲がってのやり取りは、見ていても楽しい。
しかし、姿を見せたのは…ハンマーヘッドだった。
船の回りが、夜の闇に包まれる頃になると、魚探に変化が出てきた。
幾つもの、大きなベイト反応が出始めた。
竿を出すと、正体は鯖の群。
次々と、ヒットしてくる。
「鰺なら、嬉しいけどね」
鯖の挽きを暫し楽しんで、引き上げた。